11:30-18:00 クイックメイク17部屋+セット+ダスター上げ

今日はDさん(20代前半・金髪&ピアス)とEさん(50代後半・高見沢俊彦似)と私の三人勤務。

ホントはCさん(60代前半・元看護師)も出番で、普段なら誰より先に出勤しているのに、私が出勤したら休憩室にEさんが一人でポツンと居た。Cさんがまだ出勤してこないのでEさんも心配していた。

Eさんがしきりに「Cさん、一人だから」と言う。そういやCさんは独居老人なので、私も恐ろしくなって電話してみた。

Cさんは「わち、何だかめまいして、フラついてどーもなんなくて、血圧計ってみたら、血圧上がってたんだの。ごめんねぇ。今日一日だけ休まして。明日は出勤すると思うから。明日も血圧高かったら病院行くわ。わちもトシだからしゃ」と、か細い声で言ってた。

いつも豪快にひゃははは!と笑ってるCさんが、初めて聞くような弱々しい声を出していたので、何だか物悲しくなった。

一方、朝のフロントさんも病欠で、今日のフロント補助係はママさん(40代前半・二児の母)一人だけだった。

昼休みに「Cさん、無事だろうか?」から始まって、結局はDさんと私でCさんの物真似大会になった。私がCさんの物真似をしながら「わち、血圧上がってたんだの。ごめんねぇ」と言えば、DさんがCさんの物真似をしながら「なぁんも気にしゅんでない」と答えてW・Cさん状態になる。

Cさんの物真似は、ともすれば小梅太夫になる。

Dさんとずっと、Cさんで聞いてCさんで答える…の物真似大会をしていたら、フロントママさんに「それ、二人で組んだら部屋でもやってるっしょ?廊下を一人で歩いてる時に聞こえたら、怖い時あるんだよね」と言われてしまい、恥ずかしくなった。

休憩明けはフロントママさんが一人なので、私達がダスター上げ(リネン屋さんから大量に届いたダスターを各階の非常階段へ運ぶ作業)や、セット(俗に言うハガシ。ベッドメイク前の準備)をすることになった。

取り敢えず三手に分かれてセットした。悪運の強い私は、ステキなお客様が奇麗に使って下さった部屋にばかり当たり、セットはラクチンだった。セットをする部屋が無くなったので、DさんかEさんがセットしているのを手伝おうと廊下を彷徨った。

すぐにEさんの「ちょっと!何コレ?ええ?」と叫ぶ声が聞こえたので、Eさんがセットをしている部屋へ手伝いに入ったら、テーブルの上にゴッソリとビールの空き缶が有った。ビールの500缶が5本に350缶が5本に缶チューハイなども有った。

Eさん「もーっ!こんなに飲んだら出来ないっしょねぇ!(笑)」

みかやん「こーゆー人って、飲まないと出来ないんじゃないんですかね(笑)前のラブホにはビールの350缶1ケースを背負って来てたお客さんがいました」

Eさん「ええ!何それ?全部飲んでるの?1ケースって24缶だよね」

みかやん「はい。朝にお客さんが帰ってから部屋へ行ったら、こんなふうにテーブルの上にうずたかく積まれていたり、ケースに収納されてたりと空き缶だらけで、完全制覇されてました」

Eさん「ええ!そんなに飲んでも出来るって凄いことだよね(Eさんはゲコ)」

みかやん「酒豪の方なら、このぐらいは当たり前かも知れないですよね」

Eさん「いや〜。お金かかるねぇ。私ならビール1杯でいいから安上がりだよ(笑)」

みかやん「私もですよ!ビールなら1杯で”あははは!”ですから(笑)」

Eさん「酒豪ってお金かかるもんだねぇ」

続いてダスター上げ。これがなかなかの肉体労働で三人とも汗だくになった。たまにベッドメイク以外の作業をすると物凄く疲れる。

Eさん「Cさん、休んで良かったんだわ。こんな日に無理して出て来て、セットやらダスター上げやらしたら、今頃は倒れてたかも知れないもの」

みかやん「ホントですよね。普通に元気な私達がヘロヘロですからね」

Dさん「わち、もう疲れたわ!帰りたい(Cさんの物真似)」

みかやん「わち、帰りたいわ!フロント子持ち君に聞いてくるかな(Cさんの物真似)」

結局はCさんの物真似になった。Cさん、大丈夫なんだろうか?
11:00-18:00 クイック15部屋+ベッド1+廊下掃除+リネン折り

今日はDさん(20代前半・金髪&ピアス)とSさん(10代後半・初バイト)、愚鈍さんと私の勤務。愚鈍さんとペアだなんてツイてないけど、その分しっかりと真面目に仕事をしてツキを呼び込まなければ!と思っていた。

休憩に入る前に玄関や廊下の掃除をする事になり、愚鈍さんと二人で1階のエレベーター前に居たら、お客様が降りてきて「すみません」と愚鈍さんを呼び止めた。

お客様「1階で××6号室を選んで部屋へ向かったら、××6号室から人の声が聞こえたので戻ってきた。どうなってるのかな?」

愚鈍さん「はあぁぁぁっ???」

愚鈍さんはいつもどおり他人を小馬鹿にした言い方をし、顔には「何でそんな事を私に聞くのさ!」と書いてあったので、お客様も瞬時に悪意に気付いて愚鈍さんを睨みつけた。

それでも愚鈍さんは悪びれる様子が無いどころか、逆に開き直って「はぁ?意味分かんね」みたいな顔をしたので、お客様は更に愚鈍さんを睨みつけ、何か言おうと(怒鳴ろうと?)した。

ヤバい。激マズい。私は「ブレイク!ブレイク!」と言わんばかりに、お客様と愚鈍さんの間へ割って入って「お客様!失礼致しました。すぐ確認致しますので恐れ入りますが少々お待ち下さいませ」と言ったが、背中にはタップリと変な汗をかいていた。

ラブホによくある部屋を選ぶパネルについているインターホンでフロントへ連絡した。

結局、××6号室付近の部屋を選んだ別のお客様が誤って××6号室へ入ってしまわれた為、最初から××6号室を選んでいたお客様には同じタイプの他の部屋へ行って頂くことになった。

愚鈍さんがお客様にまで喧嘩を売るとは思ってなかったので、本気で驚いたし、さっきはお客様が怒りだすのでは?と心臓がバクバクしてた。

1階の掃除を終え、2階の掃除も終わりそうな頃にDさん達が合流したので、すぐに2階の掃除が終わった。そもそもDさんが来た時、愚鈍さんが「待ってました」みたいな顔だったので、イヤな予感はしていた。

Dさん「で?どうなったの?」

愚鈍さん「あとは全部、みかやんがやってくれたの♪」

Dさん「ふうん」

愚鈍さん「お客さん、何を言ってるんだかサッパリ解らなかった」

Dさんが2階へ来た一瞬の隙にもう話していたとは…。愚鈍さんの私に対する点数稼ぎかとも思うが、愚鈍さんが私に媚びる必要は無い(散々Dさんに媚びているから)。さっきの愚鈍さんの酷い接客を私がDさんへチクる前に都合がいいように言ったんだろう。

手回しがいいと言うか悪知恵が働くと言うか…だけど、さっきの愚鈍さんの接客には本気で呆れたもの。40近い人の応対じゃない。おまけに「お客さん、何を言ってるんだかサッパリ解らなかった」って???なんでーっ?

・・・前から変だとは思ってたけど、愚鈍さんて日本語が通じないんだぁ。

そっか、どーりでおかしい人だと思ってたよ。なるほどね。日本語が通じないなら仕方ないよ。愚鈍さんてナニジンなんだろ?中国?タイ?カンボジア?そういや愚鈍さんて難民っぽいよね。今度から愚鈍さんじゃなくて異人さんて呼んであげるかな?

んなわけないっつーの。

あまりのことに萎え萎えで休憩に入ったが、テレビの高校野球に釘付けになった。遂に駒大苫小牧高校が決勝まできた。手に汗握って試合を見守ったが、無情にも延長に入ったところで私達の休憩が終わってしまった。

休憩明けは幸いにも掃除部屋が無かったので、リネン折りをしながら朝のA班の方にケータイで野球中継を見せて貰っていた。

いつもは高校野球の決勝が終わった時点でお客様が一斉にお帰りになるのに、今回は試合延長中に帰るお客様がちらほらと居た・・・お陰で私達は決死のベッドメイクだ。

ま、愚鈍さんと組んで私が決死のベッドメイクをしたところで、無駄に愚鈍さんに待たされるだけなので、部屋係の時は部屋でテレビを観て、風呂係の時は風呂のテレビをつけて観ていた。

やきもきしながら延長15回まで観たのに、明日、再試合になった。ドッと疲れた。
11:00-18:00 クイックメイク19部屋+ベッドのみ1部屋

今日はEさん(50代後半・高見沢俊彦似)と愚鈍さん、Dさん(20代前半・金髪&ピアス)と私の勤務。出勤してモニターを見たら、先週の土曜日とは違ってほぼ満室で、久々に忙しい感じになっていた。取り敢えず、こんな日に愚鈍さんと組むことにならずに何よりだ。

すっかり油断しながら風呂掃除を終え、トイレ掃除を始めようとして便器の蓋を開けたら、見事なまでのゲーリーの花火が打ち上げられていて、思わず「た〜まや〜」と…そんなわけない。

Dさんに「トイレで盛大な花火大会が開催されてました」と報告して、泣きながらトイレブラシで擦った。いつも思うけど、どうしてこうも「見てくれ」と言わんばかりに残してってくれるんだろ?水洗のレバーを回すのって、そんなに面倒な事だろか?

1部屋目でこんなのに当たると、先が思いやられる。

2部屋目で部屋係になり、何気に電子レンジの扉を開けたら、庫内で食品が爆発しており、見事な花火大会状態になっていた。今時、電子レンジでここまでの失敗をしでかす人もそう居ないと思ってたんだけど…。

洗剤をかけて拭いたらツナというかシーチキンの香りが漂ってきた。ツナのカスと油膜が拭いても拭ききれず、ツナ臭もとれないまま。フロントへ連絡をしたら「電子レンジごと取り替える」って事になった。

ツナを派手に飛び散らせた御本人様も、ここまでの騒ぎになるとは思うまい。

ま、いいんですけど…と別の部屋で風呂掃除を始めようとしたら、ローションマットが使われたまま床に敷かれていて、傍らに洗面器が有り、洗面器には黄色い液体が入っていた。

Dさんと二人、無言のまま思わず「シッコじゃないよね?ね?」という表情になった。その液体を始末する係は私なので「ロ、ローションですよね?ローションですよ。ローションです!」と自分に言い聞かせるようにDさんへ報告した。

ローションです!と言い切ったものの、それでもやっぱり恐ろしいので息を止め、顔を背けながら静かに黄色い液体を捨てた。

また別の部屋でDさんと談笑しながらベッドを組んでいて、シーツを敷き布団とマットの間に挟めていたら、手にヒンヤリとしていて尚かつぬめる感じのモノが触れたので「うわっ!」と叫びながら手元を確認したら、使用済みスキンが出てきた。

Cさんクラスになると使用済みスキンを素手で掴むけど、私にはまだ無理だし、結構ショックだったりする。

次の風呂係の時にはミストサウナ付きの風呂に当たった。最近のクソ暑さの中でミストサウナが使われている事は少なかったので油断していたら、なんとミストサウナのスイッチが切れてなくて、蒸気がシューシューと出たままで、個室の中は水浸しだった。

この部屋にセットに入ったのは誰だい?例えお客様がスイッチを切り忘れても、フロント補助係がスイッチを確実に切っててくれないと、うちらベッドメイク係が酷い目に遭うのよ!とキレ泣きしそうになった。

ホントにもう、どの部屋へ入ってもツイてない(泣)

別の部屋でベッドを組んだ後、Dさんが「トイレ借ります」とトイレへ向かったが、「ぐはっ!」となったようですぐにトイレから出てきて「ダメ!このトイレに入れない!」と言うではないか。

恐る恐るトイレに近づくと物凄いウン○臭が押し寄せてきた。この部屋のトイレ掃除係はDさんだったので、私はようやく不運から逃れることが出来たと軽く安堵した。

ところがトイレは洗面所の横だった為に、食器を洗ったり洗面台を拭いている間ずっと酷いウン○臭に包まれ、一刻も早く洗面掃除係を終えて部屋へ避難したいのに、そんな時に限って洗面台の鏡がドロドロに汚れていたり、アメニティーの補充に時間がかかったりでなかなか避難できず。

ようやく部屋へ避難できたが、自分がウン○臭いのではないか?と不安になった。こうなると、トイレから離れた場所で風呂掃除をしていたDさんより私の方がツイてない。

やっぱり今日はツイてない。

出動前のクジ引きで愚鈍さんとペアにならなかった時点で「やたっ!今日はツイてるかも?」と思ってたけど、気のせいだったようだ。

ツイてない私を気遣い助けてくれるDさんと組めたこと、昼休みにDさんを中心に脇毛の話で盛り上がったことが救いだった。
※D.K.Vernoさんと柳さんに秘密アリです

11:30-17:30 クイックメイク23部屋

唐突ですが「王今花」って何と読むと思いますか?

今日は愚鈍さんと私の二人勤務。出動の支度をしている愚鈍さんを見ながら「誕生日だってのに、こんなのと二人ってどーゆー事よ!」と心の中で虚しく毒づいた。

大学が夏休みに入った為に平日でもX君(20代前半・腰痛持ち)が出勤しているので、私の隊にX君が入ってくれるかも?と淡い期待を抱いていたのに、X君は9時から出勤して朝のA班に入ってベッドメイクをしていた。

もうガッカリだわ・・・と思っていたら、13時過ぎに私の隊にSさん(10代後半・初バイト)が合流した。良かった(感涙)。Sさんに後光が差して見えた。

先日セット(ハガシ)デビューを果たしたSさんは、11時に出勤してずっとセットをして回っていたそうだ。

合流するや否やSさんは大興奮で「うちはまだ慣れてないのに最上階のセットしてて、もう!もう!セット中にベッドメイクに来られたらイヤだから焦って焦って!でも忘れ物有ったりしたら怒られるし、もう必死で!もうダメ!ホント疲れた!」と騒いでいた。

とは言え、少しでも多く稼ぎたいSさんは喜んで休日を返上して出勤してきていたし、最近はみんなが早帰りになっても一人だけ残っていたりするようだ。

一人でダスターをエレベーターホールへ置きに行く途中、今日はA班勤務のTさん(同い年・ホテルC出身)とすれ違った。お互い忙しいのでTさんは走りながら「Sさんが来てくれたんだね。愚鈍さんと二人で最悪の誕生日にならなくて良かったね」と言い、私も走りながら「ありがと!ホント良かったよ〜」と答えた。

部屋へ戻ってベッドを組んでいたら、足元に名刺が落ちているのを発見した。あらら?こんな所に名刺?大切な名刺じゃないの?と思って拾ったら、デリヘル嬢さんの名刺だった。

名刺には手書きで”王今花”と書いてあった。

この名前、何て読むんだろう?と思ったら上にカタカナで”レイカ”と書いてあるじゃないか。ええええ!これって、もしかして”玲花”と書いたつもり?でも、どう見ても”王今花”って書いてる。”王”がデカいし”令”が思いっきり”今”になってるし。

名前間違っちゃイカンでしょう。例え字が下手でもせめて読み易く書かないと…いや、コレは”王今花”って思いっきり読み易い。ひょっとしてギャル文字すか?

ともあれ、デリヘル嬢さんが使った部屋は、短時間でサービスに集中するせいか、部屋は汚れていないし、風呂も派手に濡れてなかったり、トイレにウン○がついてたりしないので、とても有り難い。

だけど・・・名刺を忘れて帰られてしまっては、王今花さんはまた指名して貰えないんじゃないの?と少し王今花さんを不憫に思った。

またTさんとすれ違った。A班の先輩がX君を「意外と(!)仕事出来る」とか「ベッドメイク凄くキレイ」とベタ褒めだったそうで、自分が褒められたように嬉しくなった。X君はいつもニコニコしてて可愛いし、A班のお姉様がたにも可愛がられるだろうな・・・。

それに引き換え愚鈍さんは・・・三人の時はほんの少しだけ仕事が早いのに、帰る間際にSさんがセットへ行ってまた二人になったとたん・・・遅い!早く出来るんなら、やれよ!って感じ。

帰る時間が遅くなるのもイヤなので、仕方なく愚鈍さんのトイレ掃除と洗面所の床拭きと露天風呂のチェックとサウナのタオル敷きを手伝った。つーか、愚鈍さんは風呂掃除しかしてない。

全く、いつまで手が掛かるんだか。少しはX君を見習ってほしいものだわ。もしかして私に対する嫌がらせですか?はあぁ。

せっかくの誕生日で、夫がお祝いの準備をして待っててくれるので、クサクサした気持ちで帰りたくない。微笑ましいことを思い出すことにした。

フロント子持ち君て風呂掃除のことを「お風呂メイク」って言うのよね。「お風呂メイク」って言うと凄く可愛らしくない?微笑ましくない?気のせい?
※D.K.Vernoさん、きょんさん、きまぱぱさんに秘密アリです

11:30-17:30 クイックメイク12部屋+リネン折り+休憩室掃除

今日は、Eさん(50代後半・高見沢俊彦似)とCさん(60代前半・元看護師)、Dさん(20代前半・金髪&ピアス)と私の勤務。

出勤すると、いつも私より早く出勤しているお姉様二人が休憩室におらず、一人寂しく休憩していた。ふとモニターを見ると”清掃中”の部屋が3つ。朝のA班が3隊いるワケはなく、朝のA班2隊+我がB班1隊という事だ。

「えええーーっ?今日って11時出勤だっけ?終戦記念日って祝祭日?お盆って土日扱い?なんか知らないけど、あたしゃ遅刻だよ!今頃、DさんとEさんとCさんでベッドメイクしてるんだ。どーしよーっ!」とパニック状態になった。

のほほんとコーヒーなんか飲んでたけど、こうしちゃいられない!すぐ出動だ!とトイレに入ったら、誰かが休憩室を歩く足音が聞こえ、Dさんが出勤してきた。

Dさんの話によると、土日は平日並みにヒマだったが昨日の月曜日は土日並みに忙しく、EさんとCさんは昨日のうちに「明日も忙しいと思うから11時に出勤してくれ」と言われていたそうだ。

土日あんなにヒマだったのに、平日いきなり忙しいなんて。お盆、恐るべし。しかも土日は暇だったのに、金曜日はめっちゃ忙しくて、フロント子持ち君とフロント二宮和也似君が風呂掃除をして回っていたそうだ。

フロント陣に風呂掃除をして頂くというのもどうも恐縮してしまうので、決死の覚悟でベッドメイクしていたら、お客様はお帰りになる一方でラブホに入って来られるお客様はナシ。って事で、休憩明けは驚くほどヒマになった。

EさんとCさんの隊だけ細々とベッドメイクをして、Dさんと私は休憩室や従業員用トイレの掃除をする事になった。

掃除をするのに禁断の男子トイレに入ったら壁に面白いモノが貼ってあった。

「第一回 男子従業員人気投票(女子には内緒)」と書いた張り紙だ。熊田さんやコリン星から来た人やビヨンセさんに安めぐみにマイナーなグラビアアイドルなど8名の水着姿の画像が貼ってあり、空いた欄に男子従業員の名前を書いて投票するようになっていた。

・・・・・。

誰が作ってるか知らないけど、男子ロッカーの入口やトイレのドアの裏にはグラビアアイドル(水着姿)の画像が貼ってあって「奇麗に使ってねえ〜ん」みたいな言葉が書いてある。

・・・・・。

半笑いで男子トイレの掃除を終えた。「女子には内緒」って書いてたけど見ちゃったよ。ま、いいか。女子というトシでもないし(苦笑)。

Dさんは掃除機がけ、私はトイレ掃除と休憩室の拭き掃除。お陰で無駄に暑い。こんな時は涼しい話だ。

フロントママさんが働いていたラブホTでは度々怪奇現象が起こっていたという話だ。ふいに強い化粧品の香りが漂ったかと思えば、ネックレスやペンダントの類いを揺らされたり引っ張られたりしたそうだ。

んで、その時は…。

みかやん「こっ、ココはそんなの無いよね?居ないよね?」

ママさん「うん。そんなに強いのは居ないんじゃない」

みかやん「えーっ?じゃあ弱いのは居るの?」

ママさん「・・・・・」

みかやん「ひえぇぇっ!居るんだぁ!や、ちょっと!居ないって言ってよ」

Tさん「昔、男子従業員がベランダの掃除をしてて転落死したって噂あるよね」

みかやん「ええええー!き、聞いてないよ」

って話になった。

フロントママさんには他にもラブホTでの怖い話を聞いたけど、Dさんには怖くてこれ以上は話せなかった。

あー怖い怖い怖い怖い。ようやく涼しくなった。

Dさんと私も16時過ぎからベッドメイクを開始した。2隊でベッドメイクをしたらすぐに掃除部屋が無くなって今日も敢えなく17時半で早帰りになった。

明日は愚鈍さんと私の二人だけの勤務。Dさんはフロントに明日出勤できますか?と聞かれ、墓参りがあるので断わったそうだ。EさんとCさんは出勤要請を受けておらず、たった二人で明日も忙しかったらどうしてくれるんだい?

しかも愚鈍さんだよ(涙)。泣きながら帰った。
11:00-17:30 クイックメイク17部屋+廊下掃除+リネン折り

今日は、Eさん(50代後半・高見沢俊彦似)とSさん(10代後半・初バイト)と愚鈍さんが遅番、Tさん(同い年・ホテルC出身)と私が早番の勤務。

早速、Tさんに昨日愚鈍さんがやらかした”血の包布事件”を話した。Tさんも「クレームがきても”面倒臭かったから”って理由で許されるワケないよね」「そんなベッドメイク係、初めてだわ!」と驚くやら呆れるやらだった。

昨日、私が風呂係をしている時、愚鈍さんとX君がベッドを組みながら話をしているのが聞こえてた。X君が「白いシーツは○3号室だけです」とか「間違ってます」と言っていたのが聞こえていたのに、風呂に愚鈍さんが来た。

愚鈍さんが「みかやん、お忙しいところすみませんが、この部屋のシーツはグレーですよね?」と言ってきたので、わざわざ風呂から出てベッドの様子を見に行ったら、グレーのマットカバーの上に白いシーツを掛けていたところだった。

グレーのマットカバーの上にはグレーのシーツと決まっているし、X君もそのことを言っていたハズなのに、愚鈍さんはまるで「こんな事に気付くのは私だけです」とか「これを発見したのは私の手柄です」みたいに言ってきたので、聞いた私が恥ずか死ーーーくなった。

その話もしたら、Tさんは「フロントの人だって用意するシーツを間違える事だってあるんだし、そんなの間違ってるって一目瞭然なんだから、黙って取り替えればいいのにね」とまた呆れていた。

階を移動しようと業務用エレベーターに乗ったら、フロントママさん(40代前半・二児の母)が居て、大事そうに夕張メロンを抱えながら「お客さんの忘れ物なの♪」と微笑んでいた。

休憩に入ったら、さっきの夕張メロンが食べ易くカットされて出てきた。冷えていたし熟していて「お客さん!ありがとう!」と思いながら美味しく頂いた。

X君に「あれ?今日は前髪結んでないんだね?」と声を掛けると、X君は「持ってるんですけどね」と言いながら昨日の髪ゴムを出してきたので、また結んであげた。するとやっぱり、みんなに「犬みたい」と言われていた。どう見ても子犬だ。

昨日も今日も巷の皆さんがお盆休みに入っているせいか、土日なのに平日並みにヒマだ。休憩明けは階下でリネン折りをしながら部屋が空くのを待ち、部屋が空いたらフロント補助係の人と一緒に出動するパターンになった。

出動して目的の部屋の前でフロント可愛い人が「あ!この部屋!お爺ちゃんが入ってたんだ!」と思い出したように叫んだ。お爺ちゃんお婆ちゃん世代は部屋を奇麗に使ってくれる人が多いので、期待して部屋へ入るとやはり部屋は奇麗だった。

部屋を荒らし放題に荒らして、たった二人で部屋ん中でお祭り騒ぎをしているのは、極端に若い世代か中年だ。若い人が使った風呂は垢だらけだったりするけど、お爺ちゃんクラスともなれば、お肌が乾いてくるせいか(?)垢だらけなんてことはまず無い。

お爺ちゃんが使った奇麗な部屋の中でベッドを組んで、Tさんは風呂へ、私は洗面へと別れた。すると風呂から「うわーっ!油断したーっ!垢だらけーっ!」というTさんの叫びが聞こえてきた。

Tさん「爺さんて、婆さんを連れて来たんじゃないの?」

フロント可愛い人「うーん。連れまでは見なかった」

Tさん「爺さん婆さんだと思ってたら垢だらけだよ〜。きっと連れは若い人だったんだわ。うわーっ!やられたーっ!」

お爺ちゃんたら若い女の子を連れてきたのかしら♪でも、若い女の子が垢だらけって何?つーか、垢だらけの風呂に出くわした時はいつも「普通は身体を洗って流してから浴槽に入るんじゃないのかい?普通は!」と思う。

汚い身体で浴槽に飛び込まれて、泡の入浴剤を入れられて、ジェットのスイッチなんか入れられた日にゃ、浴槽の底にはどす黒い泡が残っていて、浴槽には見事な垢の輪がこびり付いて、泡と垢が排水溝へ流れていくから輪から浴槽の底まで垢だらけで酷い目に遭う。

Tさんが当たったのもまさにそんな風呂だった。勝手に若い連れの垢だと思ってるけど、ホントは垢だらけの爺さん&婆さんだったりしてね。

Tさんの仕事を手伝ってやれやれと思ったら、今日も30分の早帰りになった。
11:00-17:30 クイックメイク25部屋

今日はDさん(20代前半・金髪&ピアス)とWさん(20代半ば・ビジネスホテル出身)が遅番、X君(20代前半・腰痛持ち)と愚鈍さんと私が早番の勤務。

先日、6時から6時半までX君とベッドメイクをする事になった時、1部屋のベッドメイクに15分かかるから、ベッドメイク1部屋とベッド組みのみ1部屋ぐらいしか出来ないだろうと思っていたのに、6時20分迄に2部屋のベッドメイクが出来たので、X君の成長ぶりに甚だ驚いていた。

その時、X君は「ベッドメイクするの久しぶりです」と言っていたのに、見違えるほど仕事が早くなっていた。やっぱり男の子だ。若いって素晴らしい!と思った。

偉そうに先輩達の批判ばかりしてる人は未だに仕事が遅くて、今日もX君と私で愚鈍さん待ちになった。

愚鈍さんたら、Eさんには「どうしたら仕事が早く出来るようになるんだろう?」だなんてしおらしいことを言っておきながら、他の人には「私は”みんなと違って”マデだから、どうしても時間がかかる」と豪語しているそうだ。

どうしてか知らないけど、愚鈍さんは自分だけは特別で、まともなのは自分だけだと思っている。多分、これ→ http://akatan.cool.ne.jp/jinkaku.htm この中のどれにも当てはまりそうだけど、一番当てはまるのは「自己愛性人格障害」だと思う。ホントに尊大で傲慢だ。

そんなことを思いながら愚鈍さんとベッドを組んでいたら、包布に血がついているのを発見した。リネン屋さんで洗濯して貰ってても血のシミが完全に落ちてない事もある。血のシミなどは絶対にお客様に見せてはならないものだ。

「取り替えよう!」と私が言ったら、愚鈍さんは「裏返そう!」と反論。更に「や、血だから取り替えなきゃ!」と言っても、愚鈍さんは「いや、裏返そう!」と頑固に否定した。

裏返すったって、見える側についてる血を見えないように、お客さんの肌に当たる方へ裏返すってことだ。信じられない。出血もしていないのに布団に血がついていて、他人の血だと気付いた時、お客様はどう思われるだろう。この上なく不快だろう。

仕方ないので一人で包布から布団を引き出して、交換しに行こうと思ったら、愚鈍さんは「だって階下(2階)まで置きに行かなきゃなんないんでしょ!」と叫んだ。

汚れが落ちてなかったり穴が開いたリネン類はその階のエレベーターホールへ置いて、非常階段から新しい物を持ってくるってことをもう何度愚鈍さんに言っただろう。仕事を覚える気がなくて聞いてなかったか、アルツハイマーだ。

例え、本当に階下まで置きに行かなければならなかったとしても、血やウン○のシミがついた布団でお客様に寝て頂けるワケがない。

愚鈍さんは、階下まで置きに行くのは面倒だから、お客様さんは血のシミがクッキリとついた包布で寝なさいよ!と思ってるんでしょうか?全く尊大で傲慢だ。

何年もラブホ勤めをしてるけど、こんな人は初めてだ。性格が最悪の人も居たけど、そんな人達でさえ、仕事にはプライドを持っていたし、お客様第一に考えていた。愚鈍さんはあくまでも自分が一番、客は二の次って事ですか。自分が面倒臭いからって理由だけで・・・。

愚鈍さんはこの仕事に向いてないと思う。つーか、どんな仕事にも向かないと思う。だから旦那の自営業すら「お前は変だから来るな」と言われて手伝わせて貰えないんだと思う。

愚鈍さんという人には心底呆れた。

愚鈍さんは相変わらず「ゆっくり仕事をしてたらバカな誰かが手伝ってくれる」というのが見え見えな感じなので、X君も愚鈍さんの仕事は手伝わない。

愚鈍さん待ちの間はフロント補助係として”点検デビュー”を果たしたX君に、私の仕事を点検して貰った。X君には点検の練習になるだろう。愚鈍さんの成長には期待できないけど、X君の成長には期待特大だし、既に愚鈍さんより立派で素早い仕事ぶりだ。

X君が「前髪が長くてウザい」と言うので、お客さんが使わずに残していった髪ゴムで前髪を結んであげたら、X君はまたニコニコと笑顔を見せてくれて、その笑顔が子犬みたいに可愛らしかった。もう何度も何度もX君の笑顔に救われてきた。

今日みたいな日に愚鈍さんと二人だったら、今頃かなり煮詰まってたと思う。今日もX君が居てくれてホントに良かった。
11:30-18:00 本メイク4部屋+クイックメイク11部屋

今日は、Sさん(10代後半・初バイト)と愚鈍さん、Eさん(50代後半・高見沢俊彦似)と私の勤務。

最近、異常に暑いと思っていたら今日で7年ぶりに7日連続の真夏日を記録したそうだ。汗っかきのEさんと私は1部屋目で既に汗だくで、見た目とても暑苦しいし、実際暑い。干涸びてしまいそうだ。

それなのに今日も部屋へ入ったら、お客さんが室温を30度に設定していて、部屋のドアを開けたとたん熱波が押し寄せるような状態に度々出くわした。有り得ないから。

Eさん「部屋を30度にしてるんなら外と変わらないんだもの。外でやったらいいのにね。っていうか、よく出来るもんだよね」

みかやん「全くですよ。昨日も同じ事を思いました(アオカン)。部屋を寒いぐらいにした方が布団の中で盛り上がると思うんですけどね」

Eさん「ホントだわ。こんな暑い中でやったら汗でベタベタで気持ち悪いよね」

ホント信じらんない。ひょっとして汗フェチとかベタベタフェチとか?そんなのアリ?もしくは「静かな所で話がしたい。変なことはしないから」とか何とか言葉巧みにラブホに連れ込んで、暑くて服を脱がずにいられない状況を作ったとか?

どっちでもいいけど暑いって。

昼休みは先日Cさんが作って持ってきてくれたキュウリの酢の物の話で盛り上がった。Cさんは「ちょっと甘いかも知れないわ。わち甘いの好きだから。酢の物は甘い方が美味しいもね。美味しいから食べなさい」とは言ってたけど…。

衝撃の甘さだった。酢の物と言うよりキュウリのシロップ漬けでデザートの域。みんなビックリした。Eさんが「甘過ぎる!味見したの?」と叫んだけど、Sさんは「なんぼ甘いっても酢の物だし、ご飯のおかずだから」と思いながら一口食べて、口の中に衝撃が広がったそうだ。

例によってSさんは「だって酢の物だって話なのに酢の味しなくて、砂糖の味しかしなかったもん。うちはもうビックリして!おかずにならないっていうか、もうご飯が進まなくて!ホントびっくり!アレはお菓子!」と大騒ぎだった。

EさんとSさんと私で、ひとしきりキュウリのシロップ漬けの話をした。以前もCさんは「ちょっとしょっぱいけど」と言いながら、塩抜きしてないウリの漬け物をみんなに振る舞った。舌が痺れるようなしょっぱさだった。一口食べて吐き出した人も居たぐらいだ。

かと思えば、見た目はよ〜く漬かったキュウリなのに、食べてみたら何の味もしない漬け物を持ってきた時もあった。遠回しに「これ何味?何漬け?」と聞いたら「これ以上しょっぱかったら食べられないべさ」という返事。返す言葉もなかった。Cさんはこれらを全て「美味しいから」と言って出してきた。

「Cさんて加減ってものを知らない人だよね」って事で、一同納得した。せっかく持って来て頂いて本当に申し訳ないし甚だ失礼だとは思うんだけど、驚きの連続なんだもの。本当に凄いんだもの。私はずっと、年寄り=料理上手と思ってたけど覆された。

Eさん「あのキュウリの甘さ、あのウリのしょっぱさを思い出したら、震えがくるわ」

みかやん「まぁ暑いんで丁度いいかも知れませんけど(苦笑)」

そんな事を言いながら、洗った食器を部屋へ運ぼうとしたら、床にローションがこぼれていて思いっきり滑った。

声も出ないほど驚いたけど、食器は割らずに済んだ。というか食器を洗う前から、この暑い中でお客さんがホットコーヒーやらお茶やらを飲んでいる事に萎えていて、萎え萎えで部屋へ戻ったら一瞬にして大股開きで両手に食器だもの。体勢を整えたら汗が吹き出た。

クッソ暑いのにマイローションを持参しなきゃなんないほどカサカサですか?そっか、やっぱり暑さで干涸・・・カサ・・・(以下自粛)

そうじゃなくて。。。ローションは拭いても拭いてもヌルヌルが行ったり来たりで拭き取りにくいです!半乾きになると特に厄介です・・・と言いたかったはず。

食器割ってたら、とんだバチ当たりになるところだったよ。Cさん、ゴメン。

30度ちょっとぐらいで暑くて汗だくで、つくづく私は内地(古)には住めないと思った。
※ベビーオイルさん、梨菜さん、寝待月さんにヒミツ有ります

11:30-18:00 本メイク4部屋+クイックメイク11部屋+ベッドのみ1部屋

今日は、Dさん(20代前半・金髪&ピアス)と愚鈍さん、Cさん(60代前半・元看護師)と私の勤務。

部屋へ入るとすぐにCさんが「Eさんもようやく、愚鈍さんを庇っても何の特にもならないって気付いたみたいだもね」と言ってきた。

Cさん「Eさん、こないだわちに”みかやんは頭のいい子なのに、どうして私を避けるんだろ”って言ってきたから、わち”頭のいい子だから、聞いてないとか知らなかったとか言い逃れは通用しないんだわ。あの子は何が本当で何が嘘かちゃんと分かってるからね”って言ってやったんだの!」

みかやん「そうなんだ…」

Cさん「したってEさんだら”愚鈍さんからみかやんが怒って帰ったなんて聞いてない”って言ってたって聞いて、わちもなんも腹立って仕方なかったもの。アンタがEさんに”みかやんと喧嘩するつもりないからね!”って怒鳴られた後の話さ。ホントにEさんだら怒鳴るからタチ悪いもね!」

みかやん「なんて言うか…ありがとね」

Cさん「なんもさ。話こじらせてしまったのEさんだもの。最初にEさんが愚鈍さんに”先輩のことを悪く言って歩くんじゃない!愚鈍さんが今迄言ってた先輩達の悪口はもう本人達の耳に入ってるから謝りなさい!”って言えば済んだ話だべさ?」

みかやん「うーん。そうかも?」

Cさん「Eさんが他人の悪口を面白がって聞いてるから悪いのさ。Eさんは愚鈍さんのことを”言っていい事と悪い事の区別がつけられない人”って言ってたけど、Eさんも後輩に言わせていい事と悪い事の区別がつけられなかったんだとわちは思うよ」

Cさんが掃除機をかけ始めたので話は中断した。こうなるとCさんは止まらなくなる人なので、中断して良かったのかも知れない。だけど、あたしゃ頭は良くないし”あの子”と言われると照れるのよね。

掃除機の音に混じってCさんの声が聞こえたような気がしたので「何?何か言ってんの?」と叫んだら、Cさんは掃除機を止めて「椅子が重くて動かせないんだの。ごめん。ちょっと手伝ってくれないかい?悪いねぇ。申し訳ないよ」と言った。

最初から掃除機止めて言ってくれればすぐ手伝ったのに。私はこんなCさんを凄く水臭いと思ってしまうけど、Cさん的には「手伝って」というセリフに抵抗があったんだと思う。私なんかにそんなに気を遣わなくていいのに。

そんなふうに思うのも一瞬だ。Cさんはいつも笑わせてくれる。

Cさん「わち、大通りのアレに行ってきたんだの。外でビール飲むの何て言うの?バーデンって言うんだの?」

みかやん「や、ビアガーデンだってば。それ、こないだも言ったよね?」

Cさん「ええ?そうだったかい?」

ちょっと真面目なことを言った後のCさんは、いつもこんなだ(笑)

笑いながらトイレ掃除をしようと便器の蓋を開けたら、水の中に使用済みナプキンが有った。おまけに水も血で赤くなっていて、ナプキンの下にはトイレットペーパーが有るようだった。

血で染まった水とトイレットペーパーだけなら、ジャーッと流せば済むけど、ナプキンは拾わなければなりますまい。

これがウン○だったら迷わずCさんに助けを求めるところだけど、Cさんは血が苦手だ。バーデンとか言ってお茶目だし…私を庇ってEさんにも果敢にイヤミをかましてくれたし…って事で、手にゴミ袋をかぶせてナプキンを掴み、ゴミ袋をひっくり返して封をした。

ナプキンはタップリと血と水を吸っていてズッシリと重かった。Cさんにソレと分からないよう、更にティッシュで包んでガムテでグルグル巻きにしてから、部屋掃除用バックに付いているゴミ袋に入れた。

Cさん「ん?随分ゴミ袋、重いんでないの?何だの、このゴミ?」

みかやん「あ、それ、血と水が・・・あわわわ」

Cさん「えーーっ?」

この手の誘導尋問には必ず引っ掛かるタチなので、つい正直に言ってしまった。私ったら…ティッシュやガムテで包んだ苦労が水の泡だわ。Cさん、ごめん。

聞こえてなきゃいいけど。

Cさんは都合の悪いことは聞こえない人なので、こんな時に助かる。
※梨菜さんへ秘密アリです

11:30-18:30 クイックメイク32部屋(三人での記録更新)

今日は、Eさん(50代後半・高見沢俊彦似)とWさん(20代半ば・ビジネスホテル出身)が早番、Sさん(10代後半・初バイト)と愚鈍さんと私の三人で遅番の勤務。

今日の予想最高気温は32度。この夏一番の暑さだそうだ。こんな日に忙しい三人勤務だなんて、暑がりで汗っかきの私に耐えられるんだろうか?

どうせ愚鈍さんの仕事が遅いんだろうけど「三人」というだけでSさんと私は焦ってバタバタと仕事をしてしまい、やっぱり愚鈍さん待ちになった。愚鈍さんの仕事を手伝ったらキリがないので、Sさんの仕事を手伝い、Sさんとは助け合いながら仕事をした。

既に私は暑くて仕方なくて汗だくだったのに、このクッソ暑い中でお客さんが風呂に入って浴槽を垢だらけにしていたり、わざわざポットでお湯を沸かしてホットコーヒーを飲んでいたり、わざわざ室温を25度〜30度にしている事に甚だ驚いた。

全く。30度の中でやれちゃうなら、わざわざココへ来ないでアオカンにすりゃいいのに…と毒づいてみたくもなる。

Sさんと私は暑さでかなり弱っていた。だけど最上階にセット済みの部屋が多いので、三人組が率先して最上階へ行かねばならないし、最上階を攻める時は4P部屋からだ。4P部屋へ向かう途中、愚鈍さんが「昨日、4P部屋、すみませんでした」とたどたどしく言ってきた。

言いたくない、謝りたくない、なら言わなきゃいいのに。

昨日はお前らが4P部屋をとばして回ってたから、うちらが行ったんだよ、ふざけんな!と思っていたが面倒くさいので「いえ」と答えた。すると愚鈍さんは「部屋(モニター)の見方、分かんなくて」と、なんか偉そうに言った。自慢かよ!

分かんなかったら聞けばいいだろ!3ヶ月もココに居て何で分かんないんだよ!仕事ぶりも仕事の知識も新人並みなのに、先輩を批判したり、偉そうなものの言い方したり、挙げ句に「まともな人、居ない」って、よく言えたもんだよ。どう考えても愚鈍さん、アンタが一番まともじゃないよ!ダントツで!

いちいちムカつくから無駄に話しかけてくんなっつーの!

4P部屋では愚鈍さんが部屋係に当たった。無駄に広いので部屋係が一番時間がかかる。愚鈍さんには無理なので、仕方なく床拭きと毛拾いを手伝ってあげた。

休憩に入る頃にはTシャツもエプロンも汗でベチャベチャだった。エプロンを脱ぎ、ハンガーにかけて干しておいた。

食後に昨日貰った来期シフト表を改めて見てみると、他の日は4人〜5人の勤務なのに16日だけが2人勤務で、愚鈍さんと私の2人って何?しかも16日は私の誕生日なのに、最悪の誕生日だよ。なんてこった。

全く忌々しい。

休憩明けに何気にセット部屋へ入ると、フロント渦巻き君がセット中だった。愚鈍さんと私がベッドを組む番だったので、二人でベッドの布団などを剥がして、シーツを丸めたら手がヒンヤリとした。ん?と思ってシーツをよく見たらずぶ濡れだった。

「ええ?シッコ?潮?何?」と怯んだものの取り敢えず確認したら、ベッドの分厚いマットまで濡れていた。この上に普通にベッドを組むわけにはいかない。渦巻き君にフロントへ連絡して貰ってる最中に、愚鈍さんがアンケート用紙を私に突き出すので見てみたら…。

「水をこぼして申しわけありません」とアンケート用紙の裏にデカデカと書いてあった。

ま、ホントに水なのかは分からないけど、ベッド組み以外の作業をして、その部屋を出た。シーツもマットもずぶ濡れ、Sさんと私は汗でずぶ濡れだ。

帰る前に再度ずぶ濡れだった部屋へ入って、乾いたのを確認してからベッドだけを組んだ。

暑くて暑くて汗で着替えもままならず、Sさんと涼んでから帰ることにした。私は4P部屋しか愚鈍さんを手伝わなかったけど、Sさんはずっと愚鈍さんを手伝い続けてヘトヘトだろう。愚鈍さんが居ても、なんだかんだ三人での最高記録を打ち立てたんだし…本当に大変だったと思う。

そんな頑張り屋のSさんに、ささやかにジュースをごちそうした。

暑くて滝のように汗をかいて、忙しくて痩せる思いだったのに、全く痩せてない(泣)
11:30-18:30 クイックメイク18部屋+セット+リネン折り

今日は、Dさん(20代前半・金髪&ピアス)とWさん(20代半ば・ビジネスホテル出身)と愚鈍さん、X君(20代前半・腰痛持ち)と私の勤務のハズだった。ところが、フロント可愛い人が休んだ為、X君がフロント補助係になり、Dさんと私が組む事になった。

Dさんは11時から、私は11時半からセット(ハガシ)をし、12時に合流した時はバテバテだった。

私は最も手強いベッドが2つ有る部屋のセットをし、Dさんはセット中に、汚物入れの中に何故か未使用ナプキンが入っていてゲロのようなモノで汚れており、更にイチジク浣腸が入っているのを発見して萎えてらっしゃった。

けど、ゲ□とイチジク浣腸はどうも直で結びつかない気がする。イチジク浣腸ですし…それはもしやゲ□に見えて、実は水様便という奴ではないですか?という話になり、一層萎えた。

萎えながらも洗面所の床を拭いていたら、ふいにDさんが「うわーっ!」と叫んだので見てみると、クローゼットの中にハンガーにかかったままのシャツの忘れ物があったのが、一瞬だけ首つり死体のように見えて、二人して驚いた。

驚きながらもトイレ掃除を始めたら、何故か便器の後ろに芳香剤が有った。他の部屋のトイレには置いてないので不思議に思った。

お客さん自らが置いていったのか、ラブホ側で用意したのか、どっちにしても悪臭対策なのだろう。恐る恐るフロントへ電話して聞いたら、ラブホ側で用意したそうだが、なんらかの惨劇が繰り広げられていた後なのだろう。そう思うと怖い。

部屋を回る時、露天風呂付きの部屋などまず特殊な部屋をベッドメイクし、あとは大体近い部屋を回ってベッドメイクする。Dさんは特殊な部屋のベッドメイクが終わったら、私にお客さんが帰ったばかりの風呂が当たらないように回ってくれる。

お客さんが帰ったばかりだと風呂が湯気でベチャベチャで掃除が大変だからだ。こんな気遣いをしてくれるのはDさんだけだ。なので私もDさんに「次、何号室に行きたい?」と聞かれた時は、私に広い部屋や面倒な風呂が当たるように答える。

そう言えば先日、A班が最上階の最も手強くてベッドが2つ有る4P部屋のベッドメイクをしていたら、最上階にB班も上がってきた。当然B班もミストサウナや檜風呂風呂付きの特殊な部屋からベッドメイクに入らなければならないのに、その時のB班は何の変哲も無い狭い部屋へベッドメイクに入ったそうだ。

当然、A班さん達は「B班、何やってんの!何考えてんの?面倒な部屋は全部A班でやれ!って意味?」とキレていたという噂。その日、最上階へ上がったのは愚鈍さんとWさんだった。

奇しくも今日も愚鈍さんとWさんのペアで、最上階へ上がっていたが、また特殊な部屋を避けて回っていた。

みかやん「愚鈍さんがWさんを連れて回らなきゃなんないのに、愚鈍さんは部屋の回り方とか優先順を分かってないので、Dさんから言って貰えませんか?私達が言っても逆ギレされるし、あーだこーだ言い訳して言う事を聞かないんです」

Dさん「そうだね。うちの班で教えてないと思われるもんね」

最上階に居ながら、最優先でベッドメイクしなければならない4P部屋に愚鈍さん達が行かないので、Dさんと私が行く事になった。最上階の廊下で愚鈍さんに会ったのでDさんが「4P部屋から回るんだよ!」と注意した。愚鈍さんは「すいません」と言いながら、Dさんではなく私の顔を見てた。

Dさんが注意して説明してる間、なんで私の顔を見てるんだか。意味分かんないって。しかも何かまた挑戦的な顔だし。愚鈍さんの事となるといちいちムカつくので、ついDさんにも愚痴をこぼした。

するとDさんも「愚鈍さん、私に”(我がB班には)まともな人、居ない”って言ったんだ。この人、私の事もまともじゃないと思ってるんだ…って思ったよ」と言った。

全く。どういうワケか、まともじゃない人に限って「まともなのは自分だけ」と思ってるものだ。愚鈍さんだけがまともじゃないから、最近じゃ誰にも相手にされないんだと思うけどね。

Dさんが6時で帰り、6時からX君と2部屋のベッドメイクをした。X君も疲れているハズなのに、またとびきりの笑顔を見せてくれたので、心が洗われた。X君と少し涼んでから帰った。
11:30-14:00 クイックメイク10部屋+ベッドのみ1部屋

今日はCさん(60代前半・元看護師)と愚鈍さん、Dさん(20代前半・金髪&ピアス)と私の勤務。占いによると、今日は1年に1度か2度有るか無いかぐらいの絶好調日だそうなので、期待特大で出勤した。

出勤途中、コンビニに寄って出たところで、地下鉄のイケメン君とすれ違った。すると彼は今迄見た事もないような表情で私を見たような見ないような、何か言いたそうな感じで「ええっ?話しかけられるの?」とドキドキしたけど、そのようなこともなく通り過ぎた。

単なる気のせい&勘違いだったようだ。

出勤すると休憩室にCさんと愚鈍さんが居て、Cさんが「そんなの決まってることだもの!どーの!こーの!」と愚鈍さんに怒鳴っているところだった。何だか知らないけど、物凄く険悪な雰囲気だった。

なのにCさんと愚鈍さんが組む事になって、クジ引きをしたとたんCさんの顔が強張った。1部屋目に入る前にダスターを取りに行くと、後ろからCさんが来て「わち、今日はアンタと組みたかったよ。アンタかDさんと組みたかったわ!」とボヤいてた。

幸か不幸か久しぶりに物凄くヒマで、お客さんより従業員の方が多いんじゃないか?というぐらいのヒマ加減だった。

Dさんと「間違いなく早帰りだよね。何時までココに居れるだろ?」とか「この部屋で最後だったりして」なんて話しながら、休憩時間になったので休憩室の階へ降りた。

Cさんの隊が先に降りていて「やんやヒマだもね。わち帰るかな?ちょっとフロント行って聞いてみるわ」と言ってフロントへ向かった。

お陰で全員14時で早帰りになった。

Cさんと愚鈍さんはお弁当も食べずに急いで帰り、Dさんと私はお弁当を食べてから帰ることにした。

これが「1年に1度か2度有るか無いかぐらいの絶好調日」なんだろうか?地下鉄のイケメン君とすれ違って、愚鈍さんと組まずにDさんと組んで、14時で早帰りになってクッソ暑い中2時間半しか働かなかった事が、良かったのかも。

たまには14時帰りもいいかも。
11:30-17:00 本メイク5部屋+クイックメイク7部屋

今日は、Tさん(同い年・ホテルC出身)とSさん(10代後半・初バイト)、Eさん(50代後半・高見沢俊彦似)と私の勤務。

出動前の休憩室で早速、Sさんに昨日の松ぼっくりの話をした。また、いちいち大騒ぎしてくれるだろうということに期待特大だ。

Sさん「え?なんで松ぼっくり?」

みかやん「や、ウン○だから。んで、かくかくしかじかでモヤシが出てきてね…」

Sさん「えーーーっ!あ、有り得ない!イヤだ、そんなの!モヤシって。なんで排水溝に?ええー?うちはまだウン○にもゲ□にも当たってないのに。ウン○ウン○と思ってたら、今日ウン○に当たりそう!うわーっ!怖〜い〜!」

みかやん「うちらはみんなウン○にもゲ□にも当たってるから、当たってないなら今度はSちゃんの番だよね。そういや辞めたAさんは、風呂掃除しようとしたら排水溝の目皿の上にウン○がてんこ盛りになってた事もあったってさ」

Sさん「イヤーだぁ!うちは当たらない。うちはそんなの絶対当たらないもん!」

Tさん「目皿の下にプラスチックのカップみたいのあるでしょ?あのカップにウン○がドッサリ入ってた時があってね、水で流そうとしたけど流れなくて、現物じゃなくて匂いが部屋に流れちゃったから、泣く泣くカップを取り出して・・・」

Sさん「うわーっ!だってカップの中に手を入れないと、あのカップは取れないんだし。えええーーーっ!」

Tさん「ゴム手袋してその上にビニール袋をかぶせて、息をとめてカップを取り出してね…休憩後すぐでお腹いっぱいだったから吐き気がしてね。うえっ!おえっ!ってこみ上げてくるのを必死に堪えたよ」

Sさん「うわぁ!うち、ダメ!もうダメーーっ!どーしよーっ!」

みかやん「そんな時にCさんが居れば”な〜んもしょんなのわちやるから、アンタ部屋やって。わち、こんなの慣れっこだもの(物真似)”ってアッサリ代わってくれるんだけどね」

Sさん「今日、Cさん居ないし!ヤバいよ、そんなの!あーっ!うちはどーしたらいいんだろーっ!そんな話、今しなくたってーっ!」

みかやん「あれ?食後にすれば良かった?ま、今日、Sちゃんがウン○に当たると決まったわけじゃないからね」

Sさん「だってもう、うちは頭の中がウン○ウン○ウン○ウン○、ゲ□ゲ□ゲ□ゲ□になってるんだもん!呼び寄せそう!」

みかやん「そっか。じゃ今日はSちゃんに任せた」

Sさん「やーーーっ!困る!困るっ!うち、無理っ!」

期待以上にSさんはいちいち大騒ぎしてくれた。

昼休みにEさんは、まつ毛パーマの話をしてくれた。Eさんは長くてフサフサの凄いまつ毛だけど、私のようにまつ毛が少なくて短くても、まつ毛パーマが出来るのか不安だ。

続いてTさんが、眉毛とアイラインの入れ墨(なんて言うか忘れた)を10年ほど前に9万円で施したという話をしてくれた。これは実に興味深い話だ。ドライアイになって、目の周りの化粧が出来なくなった。しょうっちゅう目薬をさすので、目の周りがゲロゲロになりそうだからだ。

アイラインの入れ墨は、どの程度痛いのか聞いてみたら「”いっ!”って言ったまま喋れないんだ。涙はボロボロ流れるし、3日間ぐらい両目が腫れてて酷かったよ」って話だ。

今だと眉毛と上下のアイラインの入れ墨で20万円ぐらいかかるそうだ(驚)。私はせめて上まぶたのアイラインを入れたい。取り敢えずは近所の美容室で眉カット630円をお願いしよう。

つーか、眉カットだ、まつ毛パーマだ、アイラインの入れ墨だ、とか言っちゃってるけど、今更そんなに色気づいちゃってどーすんの?って感じもあるよね。ホント、往生際が悪いよ。

17時で早帰りする為に、今日最後の部屋を4人で本メイクする事になった。ミストサウナ付きの手強い風呂なので、Eさんと私が風呂係、Sさんが部屋係、Tさんが洗面&トイレ係になった。

フロント社員さんは「4人で20分ぐらいで出来ますかね?」と心配してくれていたが、楽勝だった。ベッドが2つ有る最も手強い部屋も、4人でベッドメイク出来たら楽勝なのに…。

17時で早帰りになったので、私はEさんと、とある場所へ行く事にした。
11:30-18:00 本メイク2部屋+クイック17部屋+ベッドのみ1部屋

今日はCさん(60代前半・元看護師)と愚鈍さん、Tさん(同い年・ホテルC出身)
と私の勤務。Cさんは愚鈍さんに「随分みかやんの肩持つね!」と逆ギレされて以来、チクリチクリと愚鈍さんにイヤミを言うようになった。

出動の時のエレベーターの中でCさんは、Tさんと私に「いいね!アンタ達、ベテラン同士で!」と言い放った。「わちなんか愚鈍さんとペアだよ!しゃいあく(最悪)!」と言わんばかりだ。

こないだもCさんは「わち、さっき思いっきり洗面台に頭をぶつけたんだの!おでこだったらタンコブになるとこだべしゃ。恥ずかしいもね。しゃははは!」と言っていた。

前に愚鈍さんが洗面台におでこをぶつけてタンコブになって、大きな絆創膏を貼っていた事に対するイヤミだ。愚鈍さん本人の前でつらっと言うんだから、Cさんもなかなかやる婆さんだ。

今日はどうしたのか土日並みの大混雑で、売り部屋が少なく、のうのうと本メイクなどやってられない状況に陥り、Tさんと私の隊だけクイックメイクをする事になった。

Tさんは「愚鈍さんが居る隊にクイックメイクをさせても、遅くてなかなか売り部屋が増えないもんね」と言って笑っていたけど、おっしゃるとおり!だ。Cさんの土日勤務を復活させて、土日は愚鈍さんに休んでもらえばいいのにと本気で思う。

朝の休憩室では何をしてたか知らないけど、愚鈍さんが故意に席を外していたが、昼休みは普通に休憩室に居た。でも愚鈍さんは、CさんとTさんと私の会話に入ってくることは無かった。

完全に孤立してて気の毒とは思うが、愚鈍さんは陰で散々にCさんやTさんの悪口も言っていたんだから仕方ない。こんな狭い中で新参者が調子こいてみんなに先輩の悪口を言ったら、絶対に本人の耳に入るって。自業自得だよ。

Tさんが、Cさんと私にお菓子を分けてくれて、ついでに愚鈍さんにもあげた。すると愚鈍さんは「ごちそうさまです。持って帰って家に帰ってから頂きます」と言ったけど、何かイヤミっぽい言い方だった。

休憩明けの一部屋目でTさんが「まぁ愚鈍さんだったら感じ悪いよね!」と言ったが、それもおっしゃるとおり!だ。愚鈍さんの場合は、おとなしくしていると言うより、ふてぶてしい印象だ。

今日、最後の部屋で私は風呂係になった。ついさっきまで愚鈍さんに対して思い出しムカつき状態にはなっていたものの、この時点ではすっかり忘れていた。

嗚呼それなのに、風呂で排水溝の蓋を開けたら、目皿の上に松ぼっくりのようなものが2個コロンコロンと有った。

------食前、食後、食事中の方は危険です-----

よく見るまでもなく、それはウン○だったので、排水溝の蓋を持ったままひっくり返りそうになった。思わず風呂を飛び出て「うわーーーーん!」と叫ぶと、Tさんが飛んできてくれた。

Tさんてば果敢にも手にビニール袋をかぶせて松ぼっくりを拾った。そんなの素手も同然で、松ぼっくりの感触が手に伝わるじゃないかっ。ひっ!ひえぇ!無理無理無理無理!私には絶対無理だ。

どうしても私がやらねばならないなら(今回も本来は私の仕事・汗)、私ならゴム手袋の上にビニール袋を被せて、大量のティッシュを犠牲にしてすくい取ると思う。

みかやん「え、ええええええー」

Tさん「私、犬を飼ってるから犬のウン○と思えば大丈夫」

みかやん「えーーーー」

Tさん「後は自分でやってね」

みかやん「えーーーー」

私はもう恐怖のあまり「えーーーー」しか言えなかったが、Tさんが松ぼっくりの部分を拾ってくれたので、松ぼっくりの下に有ったグチャグチャした茶色いモノを水で流す事にした。

ところが、グチャグチャしたモノに水をかけたら水中分解してしまい、グチャグチャしたモノからモヤシが洗い出されてきたのを見たら、涙目になった。見なきゃ良かったものをつい恐いもの見たさで見てしまって激しく後悔した。

モヤシはよく噛んで食べなきゃダメよ・・・そうじゃなくて!

いつも思うけど、風呂で排水溝の蓋を開けてウン○をするぐらいなら、トイレへ行って便器の蓋を開けてウン○したって、そんなに手間は変わんないじゃん!と思うんですけどね。名刺代わりにこんなモノを置いて行かれても困りますって。

はあぁ。暫くはモヤシは食えん(泣)
11:00-18:00 クイックメイク20部屋+ベッドのみ2部屋+廊下掃除

今日はSさん(10代後半・初バイト)と愚鈍さんとWさん(20代半ば・ビジネスホテル出身)、Tさん(同い年・ホテルC出身)と私の勤務。

今朝、ホントは今日は、P君とTさんと私の三人勤務だったのにね…と思いながらボーッと地下鉄に乗っていた。11時半出勤の時によく見かける”地下鉄のイケメン君”にも今日は11時出勤なので会えないし、ショボーンとしてたらスーツ姿のホスト風男性が隣の席に座った。

ところが、何気に前のガラスに写ってる姿を見たら、そのホスト風男性こそ私の”地下鉄のイケメン君”だった。すぐ隣に座ってたけど思いっきり横を見てみたら、いつもシャープな目が素敵と思ってたけど、オタマジャクシみたいな可愛い目をしてた。

今日はスーツだし(ノーネクタイ)、会えないハズの時間に会えたし、また隣の席になったし・・・心の中では「でへへへ」と思った。彼は大通りで地下鉄を降りてどこかへ行った。

彼ったらおデートかしら?デートにスーツって事は彼女はお嬢かしら?お嬢と付き合うとお金かかるわよね。その点、私なら普段着でOKだし、チープなデートでも大満足よ・・・と妄想の世界へワープしてしまった。決してSさんをどうこう言えないわ。

実際の私は、あんなイケメンを前にしたらメシなど喉を通るわけもなく、顔に見とれてて話を聞いてなかったりするハズだ。あ、彼は時効警察のオダギリジョーじゃなくて、SHINOBIのオダギリジョーみたいな感じね。

着こなしがホスト風だったけど彼の貴重なスーツ姿を見られたお陰で、P君が居ない寂しさも紛れたし、ゴキゲンで出勤した。

ベッドが2つ有る最上階の最も手強い部屋に当たってもなんのその!と勇んで行ってみたら、その手強い部屋は黒の大理石もどきの部分が物凄く多いのに、黒い部分全部に油まみれの手垢がついていた。

ベッドの枕元、テーブルの上、テレビの台、食器棚など、悪質な嫌がらせ?もしくはまたキチガ○?と思うほど、手垢だらけだった。しかも大理石もどきは何度拭いても、どうも油汚れがスカッと落ちずにイラついてきた。

イカンイカン。今日の私はスーツ姿の彼を見てラッキーでゴキゲンなのよ。イラついちゃダメよ。

手垢落としに苦戦していたら、風呂&トイレ掃除を終えたTさんが部屋を手伝いに来てくれたが、その手垢の酷さに閉口しながらも懸命に拭いて回ってくれた。

みかやん「酷いよね!泥酔者かヤク中だよね!ホントに酷いよ」

Tさん「こんなに酷いの初めて見たよ〜。あ!みかやん!ちょっと来てーっ!」

Tさんに呼ばれて行ってみたら、油だらけの手垢の中にクッキリと小さな子供の手形があった。

みかやん「いや〜!子供の仕業かい?どーりで。ねぇ」

Tさん「ほら、普通のホテルと違うから子供も興奮したっていうか、違うね、子供もはしゃいじゃったんだろうね」

みかやん「ま、ベッドが2つあるから一家4人でもいいわけだし。小さな子供2人で競い合うように手垢をつけて遊んでたのかもね」

Tさん「うんうん。そうじゃないとここまで酷い状態にはならないと思うよ」

みかやん「けど、親も親だよね!」

Tさん「親は・・・それどころじゃなかったんじゃない?」

Tさん&みかやん「ぐへへへ」

その後も同い年同士、お互いをいたわり助け合いながらサクサクと仕事を進めた。

今日の昼休みも愚鈍さんはおとなしかった。口を開けばろくな事を言わないんだから、黙っているのが賢明だと思う。愚鈍さんはそうじゃなくても偉そうな物言いというか、上からものを言う感じで挑戦的な言い方をする人だ。

A班のベテランさんに「クイックメイク早いですね」と声をかけ、ベテランさんは後で「誰に向かってものを言ってるんだか!ところであの人、誰?」と怒っていたそうだ。

Tさんはベテランさんに「愚鈍さんて少し頭がおかしいんです」と言って、納得して貰ったけど、ベテランさんは「愚鈍さんがA班に来たらしごいてやるのに」と言っていたって話だ。

うちの班で誰にも相手にされないからって、A班にまで喧嘩を売る事はないと思うんだけどね。ベテランさんにもあの挑戦的な言い方をしたら、ベテランさんもキレるだろうさ。

愚鈍さん、辞めるつもりなのかな?
11:30-18:30 クイックメイク19部屋

今日は、Dさん(20代前半・金髪&ピアス)とEさん(50代後半・高見沢俊彦似)が早番、Wさん(20代半ば・ビジネスホテル出身)と私が遅番の勤務。ホントは今日はP君と私が遅番で、私はずっと楽しみにしてたのに。私は、P君が辞めたのを未だに信じられずにいる。

私は一人で遅番なので、最悪、一日中セット(ハガシ)かも知れないと泣きそうだったが、Wさんが来てくれた。フロント二宮和也似君がWさんに遅番で出勤するよう指示してくれたそうだ。二宮和也似君たら、そんな事をして私を泣かせようとして…ってホントに泣きたいほど嬉しかった。

一方、早番チームのX君が出勤しておらず、一瞬「え?X君もP君みたいにフェードアウト?」と思ったが、X君はテスト休みだそうだ。テストが終わったら夏休みだなんて羨ましい限りだ。

一日中セットor一人風呂掃除を免れた私は、二宮和也似君とWさんが天使に見えた。Wさんは顔も声も可愛らしく癒し系だ。私には何でも話してくれる。

Wさん「あの…こないだTさんと初めて組んだんですけど…普通の人…」

みかやん「それがその。私、Tさんに”Tさんの第一印象は良くなかったんだけど、そこへ愚鈍さんが追い打ちをかけるようにTさんを悪く言うもんだから、すっかり騙されちゃって、Tさんの悪口言ったの。ゴメンね”みたいに謝ったんだ」

Wさん「そんなふうに謝るなんて、みかやんて凄い!」

みかやん「いやいやいや、悪く言い過ぎたし(汗)。Tさんも同じ事を言って私に謝ってくれたんだよ。”おあいこだからナシにしよう”みたいになって和解したんだ」

Wさん「すごーい。二人とも大人ですね」

みかやん「いやいや、愚鈍さんに踊らされててさ。お恥ずかしい話だよ」

なんて話をしながら、二人して床を這って毛拾いをしていた。1部屋目からずっと毛地獄だ。私並みに細くて見えにくい毛髪から剛毛に白髪、すね毛みたいな毛にジンジロ、どの部屋へ入っても毛だらけで参った。

こんな日はとことん毛に祟られる。イヤな予感を覚えつつも風呂で排水溝の蓋を開けたら、中の目皿が毛だらけになっていた。ティッシュで毛を掴み取ると、毛に絡まった痰や唾液の類がネローンと出てきて寒気がした。

萎え萎えでいると、Wさんが「私、みかやんに話したくて仕方ない事があったのに、なかなかみかやんと組まなくて…」と話を始めた。

先日、WさんとSさんが組んだ時、二人揃ってやり直しの憂き目に遭ったが、それが言いがかりもしくはイジメのようなもので、Wさんは物凄く凹み、Sさんはキレかかっていたそうだ。

Wさん「私は無能だ〜と思って凹みましたけど、私もみかやんみたいに好きでこの仕事を続けてるんで、頑張ろう!と思い直したんですよ♪実は私の母親はラブホAのオープニングスタッフだったんで、ベッドメイクの経験があるんですよ」

みかやん「えーっ!親子二代でベッドメイクって凄くない?」

Wさん「いえいえ。母親が”またベッドメイクの仕事してるの?あんな大変な仕事、よくやるね”って言うんですよ。だから私”この仕事が好きで、もう何年もベッドメイクしてる先輩も居るもん!”って言ったんです」

みかやん「ま、好きでやってる仕事だから、いろんな事、我慢できるんだとは思う」

Wさん「そうですよね!私も好きでやってる仕事なんで、頑張ります♪」

それと私には、この”DiaryNote”という逃げ道(?)がある事が随分と救いになっていると思う。一人で悶々としてたら耐えられなかったような酷い出来事も多々あったけど、DiaryNoteに書く事で気持ちがラクになったし、ストレス解消にもなった(すみません)。

そんなこんなで、私の愚痴に付き合って下さる皆様には、申し訳ない気持ちと有り難い気持ちでいっぱいです。

愚鈍さんには今もゲキマジムカツク状態ではあるけれども、私が好きな仕事をする上で愚鈍さんなんか関係ない!と思い直した。

晴れ晴れとした気持ちで風呂の排水溝の蓋を開けたら、目皿の上にジンジロ毛がてんこ盛りになっていた。ラブホの夏の風物詩として、砂、日焼けの皮、虫、などがあったけど、脇の下や局部の毛処理もあったことを思い出した。

やっぱり最後まで毛に祟られた。
11:30-17:30 本メイク4+クイック9+ベッドのみ1

今日は、Dさん(20代前半・金髪&ピアス)と愚鈍さん、Sさん(10代後半・初バイト)と私の勤務。Sさんが出番の日は私と組む事が多いので、愚鈍さんが出勤の日はSさんも出勤してくれると有り難い。

箸が転がっても可笑しい年頃のSさんは、今日もいちいち大笑い&大騒ぎだった。

Sさんと私は白い床の広い部屋に当たった。床が白い為に落ち毛やゴミが目立つので、這いつくばって延々と毛拾いをしなければならず、なかなかどうして手強い部屋だ。時間もかかる。

夜のC班の人達は、この部屋を「キチガ○の部屋」と呼んでいる。いつ行っても、キチ○イが暴れたんじゃないか?と思うほど、沢山の毛が落ちているからだそうだ。

その白い床に1ミリ程度のグレーっぽいような緑色っぽいような何とも形容し難い色のゴミが無数に落ちていた。乾いていて固いが砂や砂利の類ではないようだ。このような場合、正体が分からないとかなりキモい。何か分からないと不安で仕方ない。

Sさんと二人で床を這って「なんだろね?」「いったい何?」と言いながら、懸命にソレをガムテで拾い集めていた。

みかやん「ハ・・・ハナクソじゃないよね?」

Sさん「えーーーっ!いやーーーっ!違うよ!拾っちゃったよ!そんなの絶対いや−っ!」

みかやん「じゃ、垢?」

Sさん「うわーっ!それもいやーーーっ!ひっ、人から出たモノじゃないよ。きっと!違う違う!絶対ちがーう!」

いつもと同じようにSさんは暫く大騒ぎしていた。Sさんイヂリは楽しい♪と思う私はSですか?というか、やっぱりこの部屋は「キ○ガイの部屋」だと私も思う。

昼休みは、Dさんのバンドの手伝いをしてる子がWさんの弟さんだったって事で「世間は狭いよね」なんて話をしてた。DさんはバンドのCDやグッズを私達に売ってくれないので、Sさんと「Wさんを通して買おうか?」と話してたらSさんがノってきた。

「みんなでさり気にDさんバンドの缶バッジをエプロンにつけてようか?」とか「"暑いねぇ"とか言って、エプロン脱いだらDさんバンドのTシャツを着てるってのはどーお?」と言ったら、「あーはっはっは!ウケる〜!」とSさんは大ウケだった。

更に「ココの館内放送もDさんバンドの曲にすればいいんだよ」と言ったらDさんもノってくれて「部屋のコンビニボックスに入れとこうかな?」と言ったら、もうSさんは笑いが止まらない様子だ。さすが箸が転がっても可笑しい年頃だ。

三人で大笑いしていたけど、愚鈍さんは私達の会話に殆ど入ってこなかった。

休憩明けにベッドを組んでいて、最後に帯を掛けようとしてSさんと私が同時に帯を拾い上げたので、Sさんの手が私の顔に当たった。私が「酷い!顔を殴られたよ!Dさんに報告しなきゃ」と言ってもSさんは大笑い。

使用済みダスターを置きに行って部屋へ戻ったら、丁度Sさんが部屋に放置されていたスリッパを玄関へ放り投げたところで、スリッパが私の両足に当たった。私が「うわ〜。今度はスリッパを投げつけられたよ!イジメだ!虐待だぁ!狙ったでしょ?」と言ってもSさんは大笑いしてた。

Sさんイヂリをして遊んでたらイジメに遭うとは思わなかった。

早帰りだったので、Sさんと一緒に休憩してから帰った。いつもの横断歩道で分かれる時、Sさんに「ワープしませんからね」と先に言われた。

明日、Sさんは花火大会鑑賞会の手伝いをする。先週の手伝いの時は打ち上げでSさんが泥酔し、Wさんが弟さんを呼んで車でSさんを家まで送ったそうだ。なのに、Sさんたら、家に着いてから友達とカラオケに行って朝まで遊んでいたそうで、ちょっとビックリした。

けどまぁ、お子ちゃまのしたことですから・・・。

Sさんは「うち、明日は(酒を)飲まないで(後片付けを)やります!」と言ってたけど、どうなるやら?だ。

つーか、Sさんて未成年じゃなかったすか?
11:30-17:00 本メイク4+クイックメイク1+お土産作り

今日は、Eさん(50代後半・高見沢俊彦似)と愚鈍さん、Cさん(60代前半・元看護師)と私の勤務。ハズレクジ(愚鈍さんとペア)を引かずに済んだし、なんと言っても今日の一番の当たりクジはCさんとのペアだ。ちょっと脱力。

いつもどおり休憩までは本メイクをしたけど、最近のCさんは人が変わったように真面目に一生懸命に仕事をしている。完全に土日オフになったのが、かなり痛かったようだ。

Cさんに「X君、元気だの?わち、ほれ、土日の出番ないからX君にも会えなくてさ。Wさんにもね。昨日なんか久しぶりにフロント可愛い人に会ったもの」としょげられると私も返答に詰まる。なんたって相手はお年寄りだし、寂し気なCさんは一段と小さく見える。

取り敢えず「X君さ、大金持ちのボンボンなんだよね。”X君のご両親が万が一別れたりしたら、私がX君のお父さんとこに後妻に入るから”って言ってあるんだ。Cさんも狙うといいよ、後妻の座」と、ワケの分からないことを言って切り返した。

するとCさんは「やーっしゃっしゃっしゃ!X君のお父さんだら、わちより随分若いべしゃ〜。わちみたいな婆さんなんか嫁に貰わないってぇ。わちから見たらX君なんか孫みたいなもんだもの〜」と陽気に照れていた。

つーか、Cさんのまんざらでもない様子に逆に衝撃を受けた。

休憩明けは明後日に行われる花火大会のお土産詰めをした。花火大会の日はお客様に屋上を開放するそうで、観賞券をお買い上げのお客様にはささやかなお土産をプレゼントするということだ。

ラブホの割引券だの、マグカップだの、缶ジュースやらメイクブラシセット、タオルなどを4人で手分けして詰めまくった。

忙しい係に当たったEさんが大慌てで詰めていたので、それを見た私も何となく急ぎ、Cさんも空気を読んで急ぎ、愚鈍さんも慌てた。

気がついたら、4人とも大慌てで凄い勢いで袋詰めをしていて、袋のガサガサいう音だけが響いていた。様子を見にきたフロント子持ち君は、あまりの熱気と殺気に圧倒されたのか、無言で部屋の窓を開けた。

窓も開けずに空き部屋で缶詰になってたとは。どーりで暑いと思った。一心不乱に袋詰めして汗だくだった。ムキになってする作業でもなかったと思うんだけどね。

Cさんが「普段やらない仕事すれば、何だか知らないけど疲れるもね。早帰りにならないべかね」と言っていたら、本当に早帰りになった。「何だか知らないけど疲れるもね」というより、無駄に必死になって疲れた。

帰りに久々にEさんと話をすることになった。Eさんは、愚鈍さんに”他人のことをどうこう言うもんでないよ。アンタは他人のことを言い過ぎるんだわ”と注意したそうだ。そんなにヤンワリ言って愚鈍さんが理解出来るとも思えないし、まして改心なんて有り得ないとは思うけど…。

この際なので、愚鈍さんがP君の風呂掃除を点検して注意したことで、P君が怒り狂って辞めてったことも話した。「辞めた理由は当然そればかりではないにしろ、学校の勉強もバイトも必死で頑張ってたP君に、なんで愚鈍さんなんかが水を差すような事を言うんでしょうね!私だって”やってられない”と思いますよ!」と。

「私が早退した日だって、愚鈍さんが私と組んでいたかのように話して”みかやん、ブチギレて帰った”って言いふらして」と言ったら、Eさんは「そうだね」と言った。前回は「愚鈍さんから”みかやんがブチギレて帰った”なんて一言も聞いてない」と言ってたのに、遂に庇いきれなくなったんだろうか?

おまけに「愚鈍さんがP君の仕事を点検するなんて…。点検なんて愚鈍さんにはまだ全然早いわ!それじゃP君もやってられないわ!P君は”仕事だけは真面目なんすよ”って本当にキッチリ仕事してたもの!愚鈍さんが点検だなんて!」と怒っていた。

愚鈍さんがP君の仕事を点検したり注意したりするのは100年早い。ったく、生きてる間には無理なレベルだっつーのな!

Eさんは最後に「いつもこうやってみかやんと一緒に帰ってたから…やっぱり寂しかったよ」と言って微笑んだ。その笑顔を見て、Eさんて梅宮アンナの母親というか、梅宮辰夫の嫁にも似てるな…と思い、違う意味で微笑み返した。
11:30-18:00 本メイク4部屋+クイックメイク19部屋

今日は、Eさん(50代後半・高見沢俊彦似)とCさん(60代前半・元看護師)と私の三人勤務。Dさんはバンドの用の為お休みで、病欠のフロント渦巻き君に代わってフロント可愛い人が出勤していた。

出勤すると、縮毛矯正をした私を見て、Cさんが「あれっ!アンタ、しとれーと(ストレート)にしたんだの!たいしたいいわ!女は髪型で変わるって言うけどホントだわ!」と大騒ぎしていたけど、私はCさんが「ストレート」という言葉を知っていた事に驚いた。

その後、会う人会う人に「ええ!髪まっすぐ!」とか「ストパー?矯正?」と言われて照れた。家では髪を真っ直ぐにブローしてケープで固めてたけど、ラブホに着いた頃には既にクセ毛全開だものね。ストレートヘアの私なんて、みんなには目新しいわよね。

Cさんは「今日だらベテランばっかりでいいね」と出勤時からはしゃいでいて、Cさんの「にゃはははは!」「しゃはははは」という笑い声が響いていた。Cさんはゴキゲンのようだ。ベッドを組んでいる時に、ふいにCさんに話しかけられた。

Cさん「大通りのアレ、もうやってるんだの?」

みかやん「大通りのアレって何さ?」

Cさん「アレさアレ!ビールの…」

みかやん「ビールの何さ?」

Cさん「バーデン」

みかやん「・・・ビアガーデンなら、もう始まってるよ」

Cさん「今度みんなで行くべし」

時期的にビアガーデンの事だと最初から分かってはいたけど、知らないフリをしてCさんに言わせてみたら「ビールのバーデン」だもんね。バーデンて。

前回は「フリマで買ったの?」という質問に「うん。昼間!」と答えるし、Cさんという人がどんな人か、よく分かっているのでもはや笑えないが脱力した。

脱力しつつも三人勤務なので忙しい。TさんとSさんと私の三人の時に比べれば、ゆっくり婆さんペース(これも私が”ゆっくりバージョン”と言ったのをCさんが”ゆっくり婆さん”と聞き違えた)だけど、それでもやっぱり三人勤務は慌ただしい。

風呂係になった時に、パッと見は使ってないような風呂に当たった。悪運が強くていつも風呂ラッキーを引き当てる私は「あらーん。またラッキーかしら?三人勤務の時に風呂ラッキーを当てるとホントに得した気分なのよね♪」と思いながら浴槽を覗いたら…。

浴槽の底に水に濡れて血がにじんだ足拭きマットが置かれていた。血だらけになった足拭きマットをお客さん自らが水をかけて揉み洗いした形跡があった。「お客さんたら水臭い!こんなの洗ってくれなくていいのよ。リネン屋さんへ出すだけなんだから」と、何だか申し訳ないような気持ちになった。

でも、Cさん&Eさんの生理アガッチャッタ組は血が苦手だ。慌てず騒がず、濡れた足拭きマットを小さくたたんでビニール袋に詰めた。その部屋は幸いにも業務用エレベーターの隣だったので、風呂から飛び出て、走ってエレベーターホールへ置きに行った。

どうもEさんと組むと血に見舞われる事が多い。Eさんは血が大の苦手なので、もう何度も人知れず血の始末をしている。私は血は全然平気だ。

Cさんと組めばウン○系のモノに見舞われる事が多いけど、ウン○はCさんが始末してくれるからいい。

人それぞれ苦手なモノがある。私はこの時期はなんといっても虫がダメ、Eさんは血がダメ、ウン○に強いCさんはゲ□がダメ。虫はEさんが追い払ってくれるし、血は私が始末するし、ウン○はCさんが・・・あれ?ゲロは誰が?

ま、助け合って始末すればいいさ。

今日もかなり汗をかいたけど、髪は汗で濡れるほどにシャキーンと真っ直ぐになっていて、無性に嬉しかった。汗にも風呂の湿気にも髪がフニフニのモコモコにならないなんて、もう、もう、感動の嵐だ。縮毛矯正万歳。
11:00-18:00 クイックメイク20+ベッド2+セット3

今日は、Sさん(10代後半・初バイト)と愚鈍さんとWさん(20代半ば・ビジネスホテル出身)が遅番、X君(20代前半・腰痛持ち)と私が早番の勤務のハズだった。ところがフロント渦巻き君が病欠したらしく、イヤな予感がした。

X君と出動の準備をしていると「準備をしなくていいのでセット(ハガシ)をして下さい」とフロントから指示があった。せっかくX君とペアだったのに、別々にセットをして回ることになり「もしも一日中セットだったら、帰る頃にはあたしゃ死んでるな」と哀しかった。

部屋の暑さに萎え、風呂の熱気にやられ、3部屋目のセットで既に汗だくだった。私は暑さに弱い。泣きながら4部屋目のセットへ向かおうとしたら「出動の準備をしてX君とベッドメイクをして下さい」と、フロントから電話が入った。

たった3部屋のセットでバテたけど、ベッドメイクを始めたら私が何を言ってもX君がニコニコニコニコと笑っていてくれるので、疲れも吹っ飛んだ。

なのに、フロントから電話で「X君をフロントで使いたいので、みかやんは遅番の誰かと組んで下さい。階下の三人でクジ引きをしますから7階で待機していて下さい」との事だ。

「ヲイヲイ、私と愚鈍さんがペアになったらどーしてくれるんだよ!X君とは1部屋しかベッドメイクしてないのに!」と思いながら、7階のエレベーターホールで待機した。

エレベーターのドアが開き「お疲れ様です」とSさんが出てきて、続いてWさんが出てきて、二人は逃げるように廊下へ出て行き、残ったのが愚鈍さんだ。

結局は愚鈍さんと私がペアになった。フロント渦巻き君を恨む。今日は元々X君と私のペアが決まっていたから、楽しい一日になると期待してたのに。

愚鈍さん「足(爪)大丈夫ですか?」

みかやん「うん。大丈夫」

愚鈍さん「良かったぁ〜」

くああぁぁっ!寒いっつーの!また心にも無いこと言いやがって!どうせまた勝手にブチギレるんだろうよ!お陰でこっちはテンション急降下だよ!と言いたいのを堪えた。

このように気分を害したら、ろくな目に遭わない。風呂&トイレ係になれば、垢だらけの風呂や血だらけウン○だらけのトイレに当たり、部屋&洗面係になれば、テレビの上に使用済みスキンが放置されていたり洗い物がてんこ盛りだったり。

ダスターをエレベーターホールへ置きに行って部屋へ戻ろうとしたら、部屋の入口の前で、ちゅーやらなんやらイチャついてるカップルが居てなかなか部屋へ戻れなかったり…そーゆーの、部屋の中でやってちょうだい!って感じ。

それでも愚鈍さんより私の仕事が遅くなる事はなかった。愚鈍さんがダラダラと仕事をしている間に、私は自分の仕事を済ませて心行くまで自分の仕事の点検をした。

みんなが「愚鈍さんに合わせてゆっくり仕事をしていると、愚鈍さんがますますゆっくりになって話にならない」とか「愚鈍さんは”手伝ってほしい”というのが見え見えで手伝いたくない」とか「愚鈍さんは手伝われて当たり前と思ってる」と言うので、私も手伝いたくなくなる。

というか、自分の仕事を完璧にしてナンボよ!愚鈍さんの仕事の手伝いなんか二の次よ!と開き直った。前に愚鈍さんと組んだ時は、愚鈍さんの番の手伝いと自分の番とで、全部屋トイレ掃除&全部屋玄関掃除になって、さすがに疲れたし。

そこまで面倒見てやってても、陰で私の事を散々に悪く言いふらしてるんだからね。たいしたタマだわ。愚鈍さんの腹黒さ高飛車さはよく分かったから「ダラダラ仕事してたら、みかやんみたいなオバカさんが手伝ってくれるからラクチン」ぐらいに思ってるんだろうさ。

怒りで鼻息を荒くしながら「愚鈍さんの仕事ぶりが”一人前”と認められないうちは絶対に手伝わない!」と心に誓った。

愚鈍さんの仕事が遅くても丁寧ならいいけど、遅いのに雑。洗面の鏡が汚れてたり洗面台に歯磨きがついていたり、食器棚のガラスに指紋がベッタリとか…面倒臭いから黙って私が拭いたけど。こんなに手抜きしてるのに何故そんなに遅いの?と聞いてみたい。

ムカつくやら萎えるやら。私は早番なので愚鈍さんと別れて階下へ降りた。するとX君が「髪に何かついてますよ」と言いながら、糸くずを取ってくれてニコニコ笑ってた。

愚鈍さんとペアで散々な思いをしたけど、最後はX君の笑顔に救われた。

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