11:00-18:00 クイックメイク18部屋+廊下掃除

今日は、Bさん(60代前半・元スナックのママ)とLさん(30代後半・厚顔無恥な元ホステス)、Dさん(20代前半・金髪&ピアス)と私の勤務。Bさんが、クジ引きでLさんとペアと分かったとたん、物凄い顔をしたのを見逃さなかった。

私は若くて明るくて可愛いDさんとペアで何よりだ。和やかにベッドを組んでいた。

Dさん「ねえ?前のラブホに”氷フェチ”のお客さんて、来た事ある?」

みかやん「つーか、氷フェチってどんなの?」

Dさんがフロント補助係をしていた頃、同じ部屋から立て続けに何度も緊迫した言い方で「こ、氷、持って来てくれ!」と電話が入り、Dさんは「なんか知らないけど大変みたい」と感じて、徐々に量を増やしながら何度も氷のおかわりを届けた。

やがて氷おかわりの電話がピタリとこなくなり、問題の部屋のお客さんが帰ったので、Dさんは「いったい何を飲んでたんだろ?熱でも出したんだろか?」と気になって、その部屋へセット(ベッドメイク前の準備)に入りましたとさ。

パッと見、何の変哲もない部屋に何か怪し気な霊気のようなものが漂っていて、ゾクゾクしながらベッドの布団を剥がしたら…。

ベッド一面びしょ濡れで、枕もベッドパットもずぶ濡れで、どこもかしこも凍ったように冷たくなっていたそう。

Dさん「なんなの?」

みかやん「なんだろ?オーバーヒートするんじゃないの?」

Dさん「燃え過ぎかい?霊気じゃなくて冷気だったよ。冷たい方の。そん時は若かったから、つい好奇心でセットに行ったけど行かなきゃ良かったよ。枕もベッドパットも交換して洗って干して酷い目に遭ったもの」

で、このように急冷して、どんな効果が得られるのか?

カツオのタタキを作る場合、焼いた直後に「氷水につけるなどして急速に冷やすと身が引き締まっておいしくなる」とか言うけど、ソレ?

筋子をイクラにする時、一度「氷水につけるのは温度を下げて鮮度を保つため」とか言うけど、ソレ?

どちらもやはり例えはナマモノ。身が引き締まって美味しくなったり、鮮度を保てるなら私も氷水に浸かろうかな?いやいや、も少し若いうちに氷水に浸かってりゃ良かったよ!と、本気で考えてみたりするじゃん。やーねー。

昼休み、Lさんが席を外したとたん、Bさんが話し始めた。

Bさん「ちょっと!Lさんたら”新人が入って、教えなきゃなんないから、私にコレを教えて下さい”だとさ。Lさんなんか教えられる立場じゃないって事、分かってないんだねぇ」

みかやん「はぁ(全く身の程知らずだわ)」

Dさん「Lさんが?あははは!」

Bさん「Lさんの上に何人の先輩が居ると思ってるんだろ?それに誰にでも任せられる事じゃないし、新人指導は今、Eさんと私とみかやんでやってるって分かってないのもお目出度いわ」

ここでLさんが戻ってきたので話、中断。

フロントHくんがご飯を食べ終わった後、知らぬ間に居なくなっていた。昨日、カミングアウトした事で、いたたまれないんだろうか?と、ちょっと心配したけど、後で本人に聞いたら、
「昨日、夜更かしして眠かったから車の中で寝てた」って返事。

みかやん「またオヤジ遊びしてたのかい!」

Hくん「ふ!ふはははは!」

って事は、やっぱりオヤジ遊びで夜更かししたって事だ。やるな、Hくん。

午後からは、風呂ラッキーどころか、ベッドもトイレもどこもかしこも全く使った形跡の無い、オールラッキーの部屋に当たった。

みかやん「何しに来たんだろ?」

Hくん「ナニしに来たんじゃないって事だね」

Dさん「ま、良かったよ。凄いよね、オールラッキーだよ!」

って事で、Dさんと組むとラッキーが多くて助かる。
11:30-17:30(ー30分)本メイク4+クイック11

今日はDさん(20代前半・金髪&ピアス)とCさん(60代前半・元看護師)、Lさん(30代後半・元ホステス)とNさん(30代前半・永作博美似)と私の勤務。いきなり新人を2人連れて歩くのはキツいけど、取り敢えずNさんに仕事を教えながら進む事にした。

Nさんと私が1組になって、Lさんには一人で仕事をして貰う事になったものの、LさんはNさんに対して、先輩ぶって仕事を教えたがっていると言うかNさんにちょっかい出したくて仕方ない様子が丸見えでウザい。

普通に仕事してくれてればいいのに「私、次、何やればいい?」と分かりきった事を何度も尋ねてくる。私が「じゃ、LさんがNさんに教えてあげて」とでも言うと思っているらしいが、新人に新人の面倒を見て貰うつもりはない。

それでも隙あらば割り込んでくる気配が満点だし、執拗にNさんの仕事ぶりを見ていたりするんだもの。そんな姿が目について「黙って自分の仕事しやがれ!そーじゃなくてもLさんはお喋りが多くて仕事が人一倍遅いんだから!」と言いたくなる。

はっきり言って邪魔!喋りもウザいが行動もウザい。

おまけにLさんのミスで朝のA班が本メイク済みの部屋を再度本メイクしている事をDさんが知らせに来てくれたのに、Lさん本人は知らんぷりだった。それどころか、A班の連絡ボードへの書き方が悪いとか、連絡ボード自体がおかしいとか言って、あくまでも自分は悪くない!と主張されて、もううんざり。

昼休みはフロントHくんをからかってストレス解消(?)。Hくんは以前、温泉に行った時にオッサンに「いい身体してるね♪」とナンパされたと聞いていたが、その後はオッサンの車に乗せられて…。

Hくんは遂に「お口でしてたら”痛い”って言われて…」と白状したので、一同大騒ぎになった。

一同「えーっ!やっぱり。やったんだ」

みかやん「車の中で、いきなりソレを出されても、ソノ気が無かったら普通は断わるよね」

Cさん「Hくんなんか人一倍体格いいんだもの。抵抗出来るハズだべさ」

Dさん「や、Hくんの方が力ずくだったかも知れないよ。その体格だもの」

みかやん「随分とこの話を引っ張ってたけど、結局はHくんがオッサンを押し倒したんだ」

Hくん「ふははは!」

Hくんの「ふははは!」イコール「はい。そうです」って事だ。押し倒したんだ…Hくんて身長を計り直したら185cmで体重80kgだもんね。普通のオッサンなら簡単に押し倒されるよね。ふーん。

楽しいHくんいぢりの時間は終わって仕事再開。Nさんに一人で仕事をさせて様子を見る事にした。Nさんに風呂係を任せて、私は部屋係をしていると、Nさんが最上階の入浴剤の配置を「すみません!コレ、どうでしたっけ?」と聞いてきた。

Lさんは待ってましたとばかりに「それは、ああでこうで、こっちがヌルヌルで、んでこっちがサラサラで、でー、ああでもないこうでもない、かくかくしかじか」と激しくループさせながら答えた。話が長くて端で聞いていた私までが混乱するような説明だった。

「どうでしたっけ?」って事は、最低一度は聞いて知ってるけどド忘れしたってノリじゃないの?ヌルヌルだとかサラサラだとかワケ分かんない形容の仕方で教えられても困るし、ド忘れして尋ねてる事に対して話が長過ぎるって。ぐだぐだだもの。

案の定、Nさんが私に「どっちがヌルヌルで、どっちがサラサラなんですか???」と聞いてきたので「普通の入浴剤と泡の入浴剤がセットだって覚えてね。最上階は専用の雅な入浴剤と、泡の入浴剤がセットだよ」と答えた。これで済む話をLさんは5分も語っていたんだからね。聞いてる方が疲れる。

最上階から下の階へ移る時、Lさんが「あー!どうしよう!」と叫んだので、何事かと思ったら「最上階なのに、専用の入浴剤の事を教えなかった。どうしよう!」だとさ。あんなに長々喋ってて肝心な事を言ってないんだから、どうしようもない。

みかやん「そんな事なら、言っといたよ」

Lさん「あ〜〜。良かった。どうしようかと思った」

最初からお前なんかに期待してねーよ!どこまで馬鹿なんだか。こんなマヌケぶりじゃ新人指導なんて10年も20年も早いってか、Lさんの場合は生きてる間は後輩に仕事を教えるなんて無理な話。

お願いだから自分の仕事だけ、まともにやって欲しいわ。でしゃばられるとホントに迷惑。
11:30-17:30(30分早帰り)本メイク4+クイック11

今日から新人Nさん(30代前半・永作博美似)が加わり、4ヶ月ほど休職していたフロント男性が復帰した。そのフロント男性が、噂には聞いていたけどスキマスイッチもトータルテンボスもビックリのアフロヘアにあごひげで身体が超小柄。しかも50代。

うちのお姉様方はその人の事を「アフロ」と呼ぶけど、なんか小さくてマッチ棒みたいな人だ。アフロ氏の印象があまりにも強くて、新人Nさんの印象が薄くなった。

新人Nさんは永作博美をちょっぴりヤンキー風にしてヒゲを生やした感じ。ヒゲというか鼻の下の産毛が濃くてヒゲに見える。でも控えめで礼儀正しくて常に笑顔で、めっちゃ可愛い!そうだ!私はこのNさんのような後輩を求めていたんだ!傍若無人なLさんとはえらい違いだよ。あわわ。

また我がB班は女ばかり総勢9名になって、一段と賑やか・・・なのか?みんな基本的にお喋りだけど、一人だけ毛色が違う奴が居るからね。明るくて賑やかなのと、モンクばかり言っててうるさいのとは違うと思うもの。LさんがNさんにうるさくしませんように!と祈るばかりだ。

で、今日はBさん(60代前半・元スナックのママ)とEさん(50代後半・高見沢俊彦似)とNさん、Cさん(60代前半・元看護師)と私の勤務になった。

久々に汚物の女王Cさんとのペアになり、汚物に見舞われませんように!と祈るような気持ちでいた。

いつものようにベッドを組んでいた時、向かい側に立っていたCさんがが「あれ?コレなんだべか?えー?ええーーっ?」と言いながら、凄い勢いで胸ポケットから老眼鏡を取り出してかけて、おもむろにしゃがみ込んだ。

相手は汚物の女王様なので、またウン○やゲ○に違いない!と思い、素知らぬフリをしてベッド組みを続けていたら、Cさんはすっくと立ち上がり「ちょっと…」と呟いたきり絶句。

「コレ見て!」と言われるより、こんな感じの方が気になるでしょ。最悪の場合、凄いウン○や凄いゲ□かも知れないけど、私の中で恐怖より好奇心が勝ってしまったので、ベッドの向こう側へ見に行ってみた。

すると、巨大なスキンのようなモノが、床の上で大きな口をバックリと開けていて、ゴムの口は直径10センチぐらい(?)。スキンにしては、あまりにも巨大じゃないの!

怖々よく見たら、先端もゴムの口のようになっていて思わず「あっ!コレが噂の女の子用コンドームだよ!実物、初めて見たー!」と叫んでしまった。

興奮している私にCさんは「まさか。なんぼわちでも、そんな話には騙されないわ。女なんかどこにどーやってつけるのさ。ひゃははは!みかやん。だら、よく言うよ」と大笑いなんだもの。

いくら私が真実だ!と力説しても、全く取り合ってくれないどころか「オッパイにつけるんだの?」とか「足や手を怪我した人が、コレして風呂に入るんでないの?(元看護師的発想)」と言って、最後はもう「あ〜。はいはい」的な返事。

ったく。信じないなら買ってプレゼントしてあげようかな?いずれ、Cさんの前にも白馬に乗った爺さんが現れるかも知れないし…って。もはや必要ないか。
11:00-18:00 クイックメイク20部屋

今日は、Dさん(20代前半・金髪&ピアス)とCさん(60代前半・元看護師)、Bさん(60代前半・元スナックのママ)とEさん(50代後半・高見沢俊彦似)、Iさん(20代前半・中国育ちの韓国人)と私の3隊に別れてクイックメイクの日。

Iさんは土日祝日だけの勤務なので、うちの班のドロドロした面を知らないし、天真爛漫な子なので、Iさんとベアのクジを引いた自分のクジ運の強さに感動した。IさんもIさんで「ワタシ今日ラッキーよ。何故なら。みかやんとイッショね。ワタシ、みかやん大好きネ。今日みかやんにプレゼント有るヨ」と言ってすり寄ってくる。やっぱり外人さんだよね。

Iさんも仕事が早くて快適な一日になりそうだわと思っていたら、最上階の一番広い部屋に行く事になり、床が陰毛だらけになっていた。部屋係はIさんだったが、私も自分の仕事をとっとと済ませて、Iさんの陰毛拾いを手伝った。剃毛してバラまいたんじゃないか?と思うような陰毛の量で、お陰で若干時間がかかり19分経ったところで部屋を出ようとした。

そこで電話が鳴ったので、Iさんが出たが一瞬にしてIさんの表情が鬼の形相に変わった。

Iさん「電話、フロント二宮和也似。”注意!遅い!”って」

みかやん「はあぁ?マジで?もっと遅い人いっぱい居るじゃん!この部屋なんか広いんだし、時間かかるのフロントの人間だって分かってるハズだよね」

Iさん「私もそー思うヨ!頭にきたネ!狭い部屋、23分24分かかる人も居る!も1つ頭にきた事あるよ!家のセンタクキ壊れたヨ!洗濯するモノ持って歩いてる」

みかやん「じゃあフロント二宮和也似以外の人に、洗濯機貸して貰えないか聞いてみるといいよ。てかさ、うちら”遅い”って言われる覚えはないよね」

Iさん「そー!みかやん、一番仕事早い。ワタシ、2番か3番に早いヨ。ワタシもう、やる気でないヨ」

「やる気なくすよね」と力なく答えたけど、その後は二人とも憮然として仕事をして8分や9分で部屋を上げて、無言のまま取り憑かれたように部屋を回った。

昼休みになり、休憩室へ戻るとBさんとEさんが先に戻っていた。Iさんは洗濯をしに休憩室を出て行って、私は無言で弁当を食べ始めた。

Bさん「みかやん!何かあったのかい?」

Eさん「Iさんとケンカでもしたの?」

みかやん「や、何で分かるんですかーっ?」

Bさん「そりゃ分かるさ。いつもゲラゲラな人が神妙な顔してるんだもの」

Eさん「”お疲れ様です”って言ったっきりニコリともしないし」

実はかくかくしかじかでと話したら、BさんとEさんとで「うちらの方が仕事なんか全然遅いよね」「遠回しに仕事の遅い年寄りは辞めろって言われてんのかい?」「みかやんとIさんが遅いって言われるなら、うちらなんか・・・どうしよう!」と不安におののきだした。

そこへ遅れてDさんとCさんが戻ってくるなり「Iさんが会社の洗濯機で自分のパンツ洗ってる!」と叫んだ。叫んだのはCさん。

Cさん「パンツったってアンタ、下着のパンツだの!わちもなんもビックリさー!」

Bさん&Eさん「えーっ!食器拭きのフキン洗う洗濯機なのにーっ!」

別に驚く事でもないと思うけど、お姉様方は眉をひそめて「信じられない」とか「有り得ない」と各々つぶやきながら、何度も首をかしげていた。

洗濯をしてゴキゲンで戻ってきたIさんを、お姉様方はこぞってたしなめたが、Iさんは「ワタシ、開拓者ヨ!」と言って笑い飛ばした。さすがIさんだ。いや、これ以上Iさんと私の機嫌が悪くなったら業務に差し支えるかも知れないので良かった。

遅れて来たDさんとCさんに、BさんとEさんが「ちょっと!みかやんとIさんの部屋にフロント二宮和也似から”遅い!”って電話がきたんだって!」と告げた。BさんとEさんは、多分Cさんに「そしたら、わちらなんかどーすればいいのさ!」みたいに言って欲しかったんだと思う。

でもCさんは「いっつも仕事が早い人達なのに、たまたま時間かかってたからでないの?ひゃははは!」と笑ったので、BさんとEさんは拍子抜けしていたけど、私はBさんがボソっと「Cさんはいいよねぇ。脳天気で」と言ったのを聞き逃さなかった。

「遅い!」と言われて、かなりの勢いでムカついたけど、こんな時は脳天気でいるのが一番だ。

帰りにIさんが、ハッカクとトウガラシをくれた。
11:30-18:00 クイックメイク8部屋

今日はDさん(20代前半・金髪&ピアス)とKさん(50代前半・チビウザ子)、Bさん(60代前半・元スナックのママ)と私の勤務。

出勤してモニターを見ると、24日よりももっとお客さんより従業員の方が多い状態になっていた。この暇さ加減は何?昨日も一昨日も16時上がりだったそうだ。今日は、何時上がりになるんだろ?何時までココに入れるんだろ?って状態。

Dさんがフロントの人に「あのぅ。出動の準備をしていいんでしょうか?」と尋ねると、フロントの人も「一応、準備して貰って廊下掃除から始めて貰おうかな?」と苦笑いしてた。

24日とは別人のように意気揚々と出勤したのに。え?Lさん?いやぁねぇ、私はLさんだろうと誰だろうと、認めましょう!愛しましょう!の精神で出勤してきたのよ。

それなのに、Bさんの方から「もうねぇ。Lさんがモンクたらたらで最悪だったのよー。ホントにモンクの多い人だわ。ノイローゼとか、なんかあの人の場合は病的なのよね。ウザくてウザくて」とLさんの話を振ってきた。

ここで「ビョーキですよね。私も24日は酷い目に遭いました。もうムカついて・・・」なんて言ってしまっては元の木阿弥なので、「そうだったんですか〜」などと言って、のらりくらりとかわしてた。

Bさん「昨日、Lさんがベチャベチャの風呂に当たったの。ざまあみろ!とは言わないけど、これで少しはおとなしくなるだろうと思ったのさ。こっちはのべつ幕無しに喋られてウンザリしてた時だったからね。そしたら、ベチャベチャの風呂見て、Lさん何て言ったと思う?」

みかやん「さぁ?なんでしょ?」

Bさん「”客なんか風呂に入らないばいいんだーっ!”って叫んだの。呆れたわ。あの人はココに何をしに来てるんだかねぇ。ただモンクと旦那の自慢を喋りに来てるのかねぇ。掃除が仕事なのに、どう勘違いしたんだか。ビョーキの人が居なくなったと思ったら(Aさんの事)ちゃんとまたビョーキの人が入ってくるんだもんねぇ。疲れるわぁ」

「はぁ」としか言えなかった。それ以上、口を開いたらマシンガンバッシングが止まらなくなる。でも、BさんのLさんバッシングも止まらない。

Bさん「LさんてAさんによく似てるわ。あの頭の悪さ、常識の無さ、センスの悪さ。通勤の姿、見た事ある?今時あんなにダサい人はAさんとLさんぐらいなもんだわ。髪もだらしなくしてるし、なんだか生活苦丸出しで哀れっぽいの。LさんはまさにAさんの再来だわ。あれじゃ昭和初期に長屋に住んでた人の姿だもの。今、居ないってあんな人達」

みかやん「な、長屋。あははは!」

Bさん「ハモニカ長屋って知ってる?」

みかやん「知ってますよ。あはははは!」

Bさん「女はいくつになっても、一歩外へ出る時はそれなりにお洒落して身だしなみを整えるべきだと思うの。あんな、貧民窟から出てきましたって姿で通勤されたら、こっちが迷惑するわ」

いつもきっちりと身だしなみを整えて、奇麗に着飾って出勤してくるようなBさんに、AさんやLさんの姿は有り得ないんでしょう。でもまぁ人それぞれですから。私だってかなり貧乏臭い。

Bさんに「言いたくて仕方なかったのに、みかやんもCさんも休みだったんだもの。今日は、絶対早帰りになるハズだから、早く終わったら二人でCさん家に遊びに行かない?喋り足りないの!それに他の人がいる所じゃ話できないし」と誘われた。

早帰りだったらCさん宅に顔を出して帰ろうと思ったのに、今日は恐ろしく暇だったのにも関わらず珍しく早帰りにはならなかった。

結局、今日は廊下掃除やリネン折りをして、掃除したのはクイックメイク8部屋(2時間で片付く仕事)だけだった。今迄の最低記録だった。
11:30-16:30(1時間半早帰り) 本メイク4+クイックメイク2

今日はBさん(60代前半・元スナックのママ)とKさん(50代前半・チビウザ子)、Lさん(30代後半・元ホステス)と私の勤務。

出勤してモニターを見てビックリ。なんと!お客さんの人数より従業員の方が多かった。ホテQでは、お客さんが1組も居ない状態を見た事があったけど、ココに来てこんなにお客さんが少ない状態は初めてみた。

すぐに掃除をする部屋が無くなりそうだったので、ゆっくりと本メイクをしていたら、Lさんの喋る事喋る事。喋りっぷりに唖然とした。辞めたAさんも喋って喋って止まらなくなる人だったけど、Aさんの話は笑えた。それに比べてLさんの喋りは陰湿な感じで聞いていて疲れた。

仕事に対するモンクばっかり言ってて、「そんなにイヤなら辞めれば?」と何度も言いそうになった。ココに入って間もない新人が、これほどモンクをたれるとは思わなかったもの。

フロントの人が部屋へセットに入る時に持つバッグ(替えのリネン類一式入り)を、各階の裏階段へ運ぶよう指示されたので、Lさんにやり方を説明していたら、私の説明も終わりきらないうちに。

「A班がまだ居るんだもん!こんなのA班にやらせればいいべさ!A班は3時半までなのに今3時でしょ。私がフロントだったらA班にやらせるけどねぇ。私だったらこんな采配はしないわ」と言いやがった。

あぁうぜえ。だったらお前がフロント行って言ってきやがれ!って感じ。

フロントの人にボトム交換(ベッドマットのカバーを交換)をするように言われて部屋に入ったら入ったで、「こんな作業、腰をダメにする」とか「こんなの男の仕事だ」とかモンクたらたらだもの。うんざり。

そんなにこの仕事が嫌いなのに、なんで辞めないんだか。あー、この女、わけわかんね。ボランティアじゃなくて金貰ってやってんだから、時給分ぐらい働けや。昨日今日の女が、何言ってんだか。

私がそう思っている間も、モンクたらたらで、口を開けばモンクでイヤ〜な疲れ方をした。呆れてよくよく顔を見たら、見事な般若面だもんね。今迄あまり顔も見なかったけど、性格が思いっきり顔に出てたよ。

モンク→旦那自慢→モンク→旦那自慢・・・のエンドレス攻撃なんがから、たまったもんじゃない。新婚でもないのに40近い人にノロケられたら、ハッキリ言ってキモいよ。

だいたい「うちの旦那ね。プラピに似てるの」なんて言ってたけど、写真見たら似てるの髪型だけですから。プラピってこんな丸顔だっけ?プラビってこんなイヤラシい目だっけ?ブラピってこんなに鼻デカかったっけ?って、全然似てないから。単なるチンピ○崩れじゃん!

それに30代後半ぐらいで、その最悪のセンスとそのダサさは何?アンタの後ろ姿はイカレた婆さんだよ!あたしゃ痩せても枯れてもアンタみたいにゃならないわよ!フンだ!家で自慢の旦那に相手にされてないから、職場でモンク垂れ流しなのさ。そのセンスとダサさじゃ旦那もひくって。顔、般若だし・・・。

もうダメだ。心の中でマシンガンバッシングが止まらなくなる。もう無理!帰りたい!と思ったら、フロントから早帰りの連絡がきて助かった。これ以上、この女と一緒に居たら完全にブチギレてた。アブナいアブナい。

やっぱり、帰り道では反省したさ。なんでか、この手の輩には過剰反応してしまうんだよね。自分の中で何らかの防衛本能でも働くんだろうか?何だろ?嫉妬?いや有り得ない。あの程度の女に、嫉妬される事はあっても嫉妬なんかしないから。ああぁ全然フォローにならない。
11:00-18:00 クイックメイク28部屋

今日はBさん(60代前半・元スナックのママ)とLさん(30代後半・元ホステス)、Eさん(50代前半・高見沢俊彦似)とIさん(20代前半・中国育ちの韓国人)と私の勤務。今日は元々は3隊だったハズなのに、M君が退職した為、2人対3人になってしまった。しかも私は3人組の方で、Eさんと一緒だ。

先日、DさんとEさんと私との三人で組んだ日の事を、Eさんが「Dさんとみかやんの仕事が早くてついてけないの!あの二人なら競争してやってるみたいなんだもの!時間内にやればいいのに!」とモンクを言ってたって話をBさんから聞いて知っていた。

別に競争したつもりなんかないし、私の仕事が遅くて先輩二人を待たせるわけにいかないと思ったから多少急いだけどさ、あたしが待たせる事なんか滅多にないから!フンだ!そんなに言うなら、ハエがとまるような遅さでやってやるわよ!と思っていた。

ところが1部屋目の風呂が、窓やドアが閉まっていた為に完全な蒸し風呂になっていて暑くて死にかけたのに、2部屋目の部屋の風通しがあまりにも良くて、最初は涼しかったのが急に悪寒に変わって、頭がガンガンと割れそうに痛みだした。これでは、どうにもスローモーションのようにしか動けなくなった。

Iさんは「みかやん、どうした?いつも早い!今日、遅い!どこか痛いか?」と心配してくれた。Eさんも「みかやん、洗面やってていいよ。トイレ掃除やってあげるから」などと言って手伝ってくれた。で、Eさんが「みんないいかい?終わったかい?じゃあ次の部屋行くよ〜」とゴキゲンだ。

そっか。自分が一番仕事が早くて、後輩の仕事を手伝うのが好きな人なんだ。んで自分が先導して次の部屋へ行くのが好きな人なんだ。なるほどね・・・と痛い頭で考えた。どの風呂も蒸気で暑かったので、悪寒はおさまったものの頭が痛くて思うように動けなかった。そしたらEさんは、ますますゴキゲンだった。

休憩に入って速攻ご飯を食べて薬を飲んだ。薬がすぐに効いて、20分後にはテレビにあのHGが出ているのを見て「Hくん!やって!ハードゲイやって!」と、はしゃいでいた。

冗談だったのに、Hくんはすっくと立ち上がり、手を挙げて腰を振り始めた。一応、みんな笑ったけど、ホントは唖然としてた。Hくん、そこまでしなくても。つーか、やれ!って言ったのあたしじゃん。

ここで静まり返ってもイヤなので、すかさずHくんに話しかけた。

みかやん「Hくん、B班の中で誰が好き?やっぱりフロントイケメン君か、二宮和也似君かい?」

Eさん「えーっ?何?男なの?」

Hくん「ふはははっ!」

みかやん「あ、老け専だもんね。て事は、へっぺ氏かい?」

Hくん「や、フロント子持ち君♪」

一同「えーっ?」

みかやん「子持ち君のどんなとこが好きなの?」

Hくん「うーん。可愛らしいところ♪」

一同「ええええ!」

Hくん27歳、子持ち君28歳。子持ち君は確かにジャニーズ系の可愛らしい顔をしているというか、チャウチャウ犬みたいな顔で可愛い。

休憩明けは、さっきまでの不調が嘘のように元気になった。うっかりいつもどおりに働いてしまって「いかんいかん!ゆっくり、ゆっく〜り」と思っても、やっぱりDさんやIさんよりも早く仕事が終わってしまうのさ。仕方ないので、コッソリとIさんの仕事を手伝った。

夕方、妙にフロント補助係の”忘れ物”が多かった。電気ポットのお湯が捨てられてなかったり、使用済みブラシが回収されてなかったり、洗面補充セットを置き忘れていたり・・・ここまでは許すさ。

でも私が風呂係の時に、浴槽のお湯が抜かれていなくて、窓も壁もべちゃべちゃ、天井は鍾乳洞状態で、さすがに「HGめ!」と思いながら、風呂掃除をした。

その部屋の掃除を終えて廊下に出ると、たまたまHくんが歩いていた。

Eさん「ちょっとーっ!Hくん、今日は随分と忘れ物が多いよ」

Hくん「すみません」

みかやん「今の部屋なんか、風呂にお湯入ったまんまだったよ。ビックリした!全く。フロント子持ち君の事で頭がいっぱいだからだよ。勘弁してよね」

Eさん「あはは!フロント子持ち君の事で頭いっぱいかい。じゃあ仕方ないよね。あはは!」

みかやん「や、あの。仕方なくないですから。仕事なんですから」

Eさん「あははは!」

ま、Eさんが楽しそうに笑ってたからいいか。つられて大笑いしたら鼻水が出た。風邪悪化か?
11:30-18:00 本メイク5部屋+クイックメイク13部屋。 

今日はBさん(60代前半・元スナックのママ)とLさん(30代後半・元ホステス)と私の三人勤務。

昨日、BさんとKさん(50代前半・チビウザ子)がペアだったが特に話をしなかったら、昼休みにKさんが「Bさんが私と喋ってくれないから、辞めようかと思いました」と詰め寄ってきたそうだ。

Bさんは脱力して「何で私がKさんの機嫌取らなきゃなんないの?私は誰に対してもそんな事はしないよ。みんなに嫌われてるって感じるなら、も少し謙虚になったら?アンタには謙虚さが足りないんだわ」と言ったって話。

みかやん「”喋ってくれないから辞める”って、51歳の人のセリフと思えません。話にならないですね」

Bさん「でしょう!見下げ果てた女さ。KさんもAさんみたいなもんで、どーしようもなく頭が悪いのよ」

ここでLさんが出勤してきたので話を中断したが、Lさんの方からKさんの話を振ってきた。

Lさん「Kさんが”私、みんなに嫌われてるみたい”って言うんですよ。”Kさんと仲良くする事で、私まで嫌われるようなとばっちりを受けるのはイヤ!”って、ハッキリ言ったんですよ。私はこーゆー性格なんで」

Bさん「あれじゃ嫌われるわ。女の職場に居て謙虚さのカケラもなくて、先輩を先輩とも思わないような厚かましい態度だもの。何様?”Bさんが喋ってくれないから辞める”って何よ?」

みかやん「絶対、辞める気なんか無いですよ。辞めるんなら黙って辞めますって」

Bさん「本人には”引き止めない”って言ったわ」

出動時間になったので出動したら、Bさんは今度はLさんの話を始めた。

Bさん「ねえ!Lさんてお調子者でしょう!ああ言ってたけど、こっちにもいい顔、Kさんにもいい顔してんのさ。とんだ食わせ者よ。”私はこーゆー性格です”って言う人に、どんな性格さ?って聞いてやりたいよ。自分で”お調子者です。あちこちでいい顔します。あちこちフラフラこうもり女です”って言ってるようなものよ」

Bさん「後でKさんには”Bさんがこう言ってたって告げ口するのさ。姑息な手を使って私に取り入ろうとしてさ、KさんもLさんも似た者同士だわ。私はあんな者どもに絶対騙されないよ。いろんな店を経営して何百人の女の子を使ってきたと思ってるんだか」

みかやん「いろいろ言い方って有ると思うんですけど、嫌われる方、悪く思われる方しか選択できないって気の毒だと思うんですよ。私は言葉足らずで誤解され易いところがあるんで、ちょっと痛いです」

Bさん「アンタはあの二人とは出来が違うんだから気にするんでない。それにあの二人はタメグチタメ子でしょ。いいトシの人間が敬語も使えないって、それだけで非常識よ。フロントの社員相手にもタメグチって非常識きわまりないわよ。Lさんの電話応対なんか、恥ずかしいったらありゃしない」

Bさん「相手が10代20代なら注意も出来るけど今更、敬語がどうとか言えないわ。前の職場でもああやって生き恥さらしながら勤めてたんだろうさ。あんな可愛げもない連中は、一生やってろ!って感じよ」

みかやん「でもBさんがあんな輩に振り回されて、心を乱す事はないと思いますよ」

Bさんはこの手の話になると止まらなくなる。ま、私の毒舌マシンガンバッシングが始まったら、こんなもんじゃないけど(汗)。

でも、こんな話をしていてLさんと普通に話してるBさんて大人だと思う。

どうしても昔から、出しゃばりとお喋り(←この場合は、のべつ幕無しに喋る人、喋って仕事の手が止まる人、言ってはならない事を言ってはならない相手に言ってしまう人、パッと出の者がいっぱしの口を叩くなど)だけは好きになれない。

なのに何故か神様仏様は、私の元へ出しゃばりでお喋りな刺客を送り込んできた。過去に二人。今回はKさんとLさん、一度に二人はあまりにキツい。これは試練なんだ、避けては通れないんだ、と思い直してみてもどうもねぇ。

今日から館内に暖房が入った。久々に暑さにやられて、帰る頃には干涸びそうだった。仕事を終えて、BさんとLさんと三人でエレベーターに乗って、動き出したとたん「ガガーン!」と物凄い音がして激しく揺れた。

思わず三人、声を揃えて「うわーっ!」と叫んだ。「キャー!」だなんて黄色い声はもう出ない。それに私らはニューハーフ三人衆だし。

なんだか精神的に疲れた一日だった。
11:30-17:00(ー1時間) 本メイク4+クイックメイク8部屋

今日はクジ引きの結果、Bさん(60代前半・元スナックのママ)とEさん(50代後半・高見沢俊彦似)、Cさん(60代前半・元看護師)と私の勤務。ド新人が居なくて今日も平和な一日になりそうな予感がしていた。

フロント渦巻き君がセット中の部屋へ入って、ベッドを剥がすのを手伝いながらCさんと話をしていたら、渦巻き君が私達の会話に入ってきた。初めての事で私は驚いたが、Cさんはたいそう気を良くして満面の笑みをたたえながら「ところで、渦巻き君てトシいくつだのさ?」と尋ねた。

渦巻き君「30です」

Cさん&私「・・・・・」

それっきり三人とも無言で黙々と作業をして、セットを終えた渦巻き君が部屋から出て行った。

Cさん「ちょっとーっ!30だとさ。30ったらみかやんよりも年下でないの。えーっ!」

みかやん「絶対あたしより年上だと思ってたよ。40代半ばだと思ってた」

Cさん「わちなんかオッサンだと思ってたもの。絶対50ぐらいに見えるもね。30だとさ。えええええーっ!」

みかやん「もしかして、一回りぐらいなら愛にトシの差なんて!って、Cさんたら渦巻き君の事、狙ってた?」

Cさん「にゃ、にゃはははは!」

みかやん「やっぱ狙ってたんだ」

Cさん「なんぼわちがバツ2で焦ってても30だら狙えないべさ。トシ半分だもの」

渦巻き君が50歳だと思ってた時は、本気で狙ってたんだろね。なんか脱力。ま、いくつになっても女は女だわね。

昼休み、ショートヘアになったBさんを見て、Eさんが「ニューハーフみたい♪」と言って笑ってた。

Bさん「私よりもLさんの方がニューハーフっぽくない?Lさんって言うよりL君だもの」

Eさん「あっ!明日はニューハーフ三人衆の勤務だわ」

みかやん「えーっ?私もニューハーフですか?嘘ーっ?何でー?」

Bさん「アンタの場合は性格が男だからね」

確かにホテルQ時代は、よく「男らしい」と言われた。それを踏まえてココではセレブな奥様気取りでいたってのに、バレバレじゃん。なんてこった。

休憩明けは風呂係からのスタートだった。いつものように風呂スポンジを手に、浴槽の外に立って浴槽の手前側を洗おうとしたら、そこに茶色い筋が一本。スポンジを持つ手が、スリーカウント寸前でかわされた時のプロレスのレフリーのようになった。アブナいアブナい。

どう見ても、浴槽のフチに腰掛けて用を足した様子。しかもゲーリー。浴槽の底は奇麗な水で濡れていて「汚物は奇麗サッパリ流しました」って状態。それなら死角になる部分の茶色い筋も奇麗に洗い流して帰って欲しかったわよ。筋は末広がりな形になっていたけど、目出たくなんかないから。

思わず「あ〜怖い怖い怖い怖い」とつぶやくと、救世主Cさんが来てくれた。こんな時は本気でCさんの存在が有り難い。

Cさん「したら、わち風呂やるから部屋頼むね」

みかやん「お易い御用です。部屋も洗面もトイレもわたくしがやらせて頂きます」

Cさん「だけどもなんだべね?フチに腰掛けててクシャミでも出たのかい?クシャミと同時に出たんでないの?」

みかやん「どうしてこーなったか聞いてみたいよね?最近、トイレと風呂の区別をつけられない人が多くて萎えるよ」

Cさん「酔っぱらって来るような時間でもないべさ?わちもホントに不思議だわ。ちり紙もない所でよく出来るもんだわ。あ、シャワーで流すのかい?間に合わなかったんだべか?だけど、すぐ向かいがトイレだべさね。トイレの戸と風呂の戸は間違えないべさ?・・・(あーでもないこーでもない)」

Cさん「わちにはサッパリ分からないわ。まぁいいんだけどさ。便なんか慣れっこだもの」

みかやん「や、分かんなくていいんだと思う。多分」

前々から「もしかして?」と思ってはいたけど、やっぱりCさんと組んだ日は汚物にお目にかかる事が多い。Cさんとベアのクジは当たりなのかハズレなのか、よく分からない。
11:30-18:00 本メイク6+クイックメイク6部屋

今日はKさん(50代前半・チビウザ子)とLさん(30代後半・元ホステス)、Dさん(20代前半・金髪&ピアス)と私のペアになった。クジ引きの時はドキドキしたけど、KさんとLさんとでペアになってくれて、何だかホッとした。

午前中は本メイクだったので、昭和歌謡好きのDさんは有線の調和歌謡チャンネルを聞きながら部屋係をしていた。風呂掃除をしていると、トシちゃんに明菜ちゃんに聖子ちゃんの曲が聞こえてきて、あまりにも懐かしかった。

大人になってから覚えた歌って、暫く歌わないでいると忘れてしまうけど、子供の頃に覚えた歌って何年経っても歌えるものだ。思わず風呂で口ずさんでしまった。

私が部屋係になった時は、有線のヒップホップチャンネルにしてみた。思い出すのはホテルP
とホテル新Qで一緒に働いた7号君の事だ。ヒップホップ、ガンガンの中でノリノリでベッドを組んでベッドを組み終えたら、ああして・・・こうして・・・うふ。

でも7号君はアレだからね。7号君の感触や表情は昨日の事のように一瞬一瞬克明に思い出せるのに、もう随分昔の事のようにも思える。7号君を思い出して、いつもどおり切な〜くなってしまったので、80年代ディスコチャンネルにしてみた。私が夜遊びを覚えた13歳の頃はまだディスコでしたから(哀)。

老け顔なので一度も補導などされませんでしたわ。補導されてたら、もっと真っ当な人生を歩んでいたかも・・・。

そしたら今度は若き日の酒の上での失敗の数々を思い出して、痛い失敗が多い事に情けな〜くなってしまった。ダメだ。過去を振り返るとろくな事が無い。結局、リクエストチャンネルに変えて落ち着いた。何をやってたんだか私は。

みかやん「Dさんのバンドって何て名前だっけ?」

Dさん「ネットでHP探そうとしてない?」

みかやん「うわっ!いきなりバレてたよ」

Dさん「バンドの子が最近、mixiを始めたとか言っててさ」

みかやん「み、みくしーっ?」

Dさん「そのmixiの方にもバンドの事が載ってるらしいんだけど、mixiってよく知らないんだよね。知ってる?」

みかやん「やややや、よく知っ、知らないです。あっ!あの、ところでバンドの曲は誰が作ってるんですか?」

Dさん「私。ギター弾きながら。それよかさ、みかやんの友達ってゲイの人とか性同一性障害の人とかさ、凄くない?」

みかやん「や、私自身は全然凄くないし、たまたま友達がそうだったってだけでね」

Dさん「Hくんから色々と聞き出すのも巧いよね。3万円の話とかゲイの話とか」

みかやん「Hくんて聞けば何でも答えるし、ゲイ受けするタイプだと思ったんだよね。休憩の時も2時からのドラマに夢中だけどさ、よく見たらHくんたら織田裕二に釘付けなんだもの」

Dさん「あっはっはーっ!織田裕二目当てだったんだーっ!」

Dさん&みかやん「あははは!はあああぁ〜」

DさんはDさんで、バンドHPの話に触れられると痛くて、私は私でネットの話に触れられると痛いので、Hくんネタで巧くはぐらかした。こんな時にも役に立つなんて、Hくんて意外と使える男かも?

みかやん「こないだ廊下に掃除機かけてたら、Hくんが凄い勢いで走ってきて私を追い越して空き部屋に入ったんだよね。何だ?あいつ、あんなに慌ててって何気に振り返ったらお客さんがこっちに向かって来てたんだ。私も慌てて掃除機止めてHくんが逃げ込んだ部屋に入ったんだよ」

Dさん「掃除機かけてるとお客さんの気配分かんないよね」

みかやん「でしょう!その空き部屋に入ったらさ、Hくんが逃げ遅れた私を見て、ゲラゲラ笑ってたんだよ、酷くない?普通はさ”お客さん来たよ”とか声掛けてくれるよね?一人だけ逃げてヒーヒー言って笑ってたんだよ」

Dさん「あはは!やられたね」

みかやん「お返しにゲイ絡みの話を根掘り葉掘り聞いてみようと思ってたよ」

Dさん「聞いて聞いて!」

汚物にも見舞われず、音楽の話などして平和な一日だった。今日はいいクジを引いて良かった。
11:30-18:30 クイックメイク22部屋+廊下掃除

昨夜、Bさんから電話がきた。

Bさん「Kさんたら手伝われたくないからって必死さ。”そんな馬鹿みたいに必死こいてやんなくたって、おめーの仕事なんか手伝わねーよ!”って言いたかったわ」

みかやん「私も全く同じ事を考えてました」

Bさん「ちょっと言ったら、あんなにギャーギャーわめかれると思ったら何も言えないし、迂闊な事は言えないと思ったら喋られなかったわ。逆にウザくなくていい塩梅さ」

みかやん「私もですよーっ!こないだ殆ど無言でした」

Bさん「それと、Kさんと仲良しのLさんはお調子者だから話半分に聞いておきなよ」

やっぱり考える事はみんな同じね。

今日は、Bさん(60代前半・元スナックのママ)とLさん(30代後半・元ホステス)、Eさん(50代後半・高見沢俊彦似)とIさん(20代前半・中国育ちの韓国人)、Cさん(60代前半・元看護師)と私の3隊に別れてクイックメイクの日。

Kさんと仲良しのLさんとペアになったBさんは、私にしかめっ面をして見せた。私はと言えば何故かいつもCさんとペアになる。元看護師のCさんとペアなら、ウン○でもゲロでも、どーんと来い!って感じ・・でもないか。てか、嘘です。ゴメンナサイ。

と思っていたら1部屋目で早速、ウン○に当たった。私じゃなくてCさんが。

風呂からCさんの「わーっ!あらら、あらららら」という声が聞こえたので、駆けつけてみた。

Cさん「風呂にてぬぐいが有ってさ、フロントの人が回収すんの忘れたんだべさ。風呂の外に出しておこうと思って拾ったら、てぬぐいの中から黒い物が出てきて床に転がったのさ。そしたら便だったの。にゃはははは!」

みかやん「えーっ!にゃはははって、ウン○じゃん!」

Cさん「わち、カブトムシみたいなデッカイ虫が出てきたのかと思ってビックリしたのさ。便だらなんも。にゃはははは!」

Cさん&みかやん「にゃはははは〜!」

みかやん「えーー!虫もイヤだけどウン○もイヤだよ〜」

Cさん「わちだら虫の方がイヤだよ。便だら飛んだり飛びかかってきたりしないもの」

みかやん「や、そうだけど・・・。いやいやいや。やっぱりそーゆー問題じゃないと思う」

Cさん「したって便だら、みかやん風に言えば”サクッ”と拾えばいいだけの話だもの。怖くもなんともないべさ。動かないもんだもの」

みかやん「それがなかなかどうして出来ないんだって。他人のウン○なんて」

Cさん「そーかい?わちだら虫は全然ダメだからね。虫の時はみかやんに頼むわ」

みかやん「虫はIちゃんに頼んで。こないだワラジ虫が歩いてて私が大騒ぎしてたら、Iちゃんが素手で拾ってくれたよ。”あんまり騒ぐからもっと大きい虫かと思った”って言われたさ」

Cさん「そーだのかい。中国だら虫も食べるからね。さすがだわ。人間て得手不得手ってあるもんだもね」

みかやん「そーだそーだ。こないだCさんとKさんが普通に話してるの見て、Cさんて大人だなって思ってたよ。さすがだって」

Cさん「Kさんなんか後輩だし適当にあしらっておけばいいのさ。わちはもっと苦手な人が居るもの。ギーギー怒鳴る先輩の方が厄介だって」

みかやん「あ、その先輩(Eさん)には私も何度も怒鳴られたよ。後腐れの無い人だから気にしなきゃいいよ」

Cさん「だけどもわち、その先輩と組むと有り得ないミスしたりするんだの」

みかやん「後輩が萎縮するような育て方をしちゃダメだけど、言えないし。緊張感を持って働くのと、萎縮してしまうのとは違うからね」

Cさん「わちもそー思うのさ!でも、Kさんなんかはその先輩が一番好きって言ってるんだからね。得手不得手も合う合わないも有るよねぇ」

みかやん「有るよねぇ」

忙しかったので、こんな話を何部屋もまたがってしていた。

1部屋目でウン○に見舞われたりしたら、その日はずっとウン○に取り憑かれるって怖いジンクスも有るけど、今日はそうならずに済んで良かった。
11:30-18:00 本メイク5部屋+クイックメイク10部屋

今日はDさん(20代前半・金髪&ピアス)とCさん(60代前半・元看護師)、Kさん(50代前半・チビウザ子)と私の勤務。観楓会の時に火花を散らしたCさんとKさんがペアにならなくて良かったけど、何で私とKさんなんだよ。

軽くアドバイスしただけで、あんなにギャンギャンと吠えられるなら、何も言えないよ!と思ってたら、本当になーんにも喋れなかった。Kさんの方も何も言ってこないので、お互い押し黙ったまま。雰囲気悪っ!

だけど、Kさんって物凄く独り言が多い。無言でベッドを組んだ後に、風呂やトイレの中で一人で喋ってるんで怖い時がある。ある程度のおトシになると、独り言が多くなるって言うから、そーゆー事らしい。

そういやKさんと仲良しのLさんも、めっちゃ独り言が多い。Kさんはともかく、Lさんなんか30代なのに、やーねー。KさんとLさんって本当に似た者同士って感じ。

険悪な雰囲気ではなかったけど、Kさんも私も特に喋らないので長い長い2時間半だった。

ようやく休憩時間を迎えたものの、狭い休憩室でCさんとKさんが一緒になる。一触即発の危機だ。本当に闘いがぶり返しても困るし・・・と思ってたら、フロントHくんも休憩室に来た。CさんvsKさんとの闘いに巻き込まれないためにも、ココはHくんいじりしかない!いそいそとHくんの隣に座って、満面の笑顔で話しかけた。

みかやん「Hくん、彼女できた?」

Hくん「出来な〜い」

みかやん「彼女できなくても、実はカレシが出来たって話じゃないの?」

Hくん「ふはははっ!」

みかやん「あたしと凄く仲良くて大好きだった後輩がゲイだったんだ。何を聞いても驚かないから、カレシが出来たときは教えてね」

Hくん「ふははは・・・えーっ!」

Dさん「えーっ!何それ?マジで?」

みかやん「かくかくしかじかで、全力であたしに優しくしてくれてた後輩がゲイで、同じ大学のその子の後輩もゲイだったから、あたしの後輩二人がゲイだったって話さ」

Dさん「えーっ!写メってか、写真ある?」

みかやん「有る有る。2人とも撮ったから個別に」

Dさん「へえぇ。札幌あたりにもゲイの人って居るんだぁ」

Hくん「えー、えー、えー、えーーーっ!」

みかやん「だからHくんもゲイならゲイって言ってくれていいんだよ。バイでも」

Hくん「や、声をかけられた事はあるけど」

みかやん「やっぱりーっ!だってゲイの人って、相手もゲイかどうか分かるって言うよね」

Dさん「うん。よくそう聞くよね」

Hくん「ふはははっ!」

みかやん「否定しないって事はやっぱりゲイなんだ。どうもパッと見ゲイっぽいと思ってたもの」

Dさん「声かけられてどーしたのさ?どこで?なんて?」

Hくん「ふはははっ!」

Dさんと私がHくんいじりをして遊んでいる間、CさんとKさんが普通に話をしていた事に実は物凄く驚いていた。Cさんたら大人だわ。おみそれしましたって感じ。何事もなかったかのようにCさんに話しかけるKさんも大したもんだわ。

私が観楓会でKさんみたいな事をしでかしてしまったら「Cさん、皆さん、先日は失礼しました」ぐらい、最初に言うけどね。

CさんもKさんも私以上にいいだけ大人だし、Cさんなんかは私の母親と殆ど同い年だし、親子ほどトシの離れた私が心配するような話じゃなかったって事だ。やれやれ。

Hくんて何を聞いてもニコニコ笑ってて、からかい甲斐がある。わりとノリもいいし。これだからHくんいじりは止められない。

休憩明けにクイックメイクに切り替わったら、Kさんは物凄い勢いで仕事をしていた。相変わらず手伝われるのがイヤみたいだ。どんな惨劇に見舞われるか分かんないんだから、お互い様なのに。

いいトシして協調性のカケラも無いって、どんなもんだろ?私なんかに手伝われるのはプライドが許さない!と思ってるのか知らないけど、こんな所でプライドを振りかざしたって何の得にもならないと思うんだけどね。
11:30-17:30(ー30分) 本メイク5+クイック14部屋

今日はCさん(60代前半・元看護師)とLさん(30代後半・元ホステス)、Dさん(20代前半・金髪&ピアス)とEさん(50代後半・高見沢俊彦似)と私の2対3の勤務。

何気にクジ引きをして、DさんとEさんと私の組だと分かると、思わず三人揃って「えーーーっ!」と叫んだ。忘れもしない3人での最高記録30部屋を達成した時のメンバーだ。

一方Cさんは、Kさんと仲の良いLさんとの組になってしまい、昨日のKさんとの一件が有るのでテンション丸下がりで、いつもの豪快な笑いは聞けなかった。

LさんとKさんが仲良しなのが不思議だけど「二人とも会話が団地のオバサンだから合うんじゃないの?」って話だ。二人とも芸能界のゴシップ通だし。Lさんなんかは安めぐみもビックリの昭和のリアクションだし。

LさんとKさんで話してるのを見ると、今時無名の役者でも団地のオバサンを演じる時に、そんな身振り手振りはしないでしょう?ってノリなんだもの。見てるだけで面白い。けど笑えない。

この際、LさんやKさんの話はどうでもいいとして、昨夜の観楓会でDさんと私がタダ酒を飲み過ぎたのに対して、ゲコのEさんはビールをジョッキ半分しか飲んでいない。しっかりしなければEさんに遅れをとってしまう。でも・・・。

Dさん「うちら、こんな日にゲロなんか見たら死ぬよね」

みかやん「変な匂いもヤバくない?トイレ掃除も危険だよね」

Dさん「うわぁ。絶対ヤバい」

みかやん「噂をすれば何とかって言うから、この話はやめよーよ。マジヤバい」

Dさん「そうだね。ヤバい言葉は口にしない事にしようね」

二人でそう誓ったのに時すでに遅しってやつだったのか、私自身の「トイレ掃除も危険だよね」という言葉がマズかったのか、次のトイレ係の時に泣いた。口は災いのもとってヤツだよ(涙)。

何気に便器の蓋を開けたら、便器がゲーリーの打ち上げ花火状態になっていた。

普段の私だったら、辞めたAさんの真似をしながら「Dさん!ちょっとこっち来て、コレ見でみろ!ほら〜、見でみろ〜」というところだけど、さっき誓い合ったばかりだし二日酔いのDさんには、とても言えない。

EさんはEさんで朝から何か不機嫌な様子。そういや観楓会の時に、酒を飲めないEさんがチビりチビりとビールを飲んでいるのを見て、みんなが「それもう温くて美味しくないから冷たいビールを貰いなさい」と言ったのに、Eさんは「明日、仕事だから!」とキッパリと断った。

観楓会の帰りには「Cさん宅で飲み直そう」とEさんにも声をかけたのに、その時もEさんは「明日、仕事だから!」と叫んで一番最初に帰って行った。ジョッキ半分のビールで二日酔いなのか、今日も仕事なのにも関わらず深酒をしたDさんと私に対して面白くないのかよく分からない。

結局、誰にも言えずに一人半泣きになりながら、ゲーリーの打ち上げ花火と戦った。前回もそうだったけど、どうして水を流して帰ってくれないのだろう?てか、いつも思う。

あまりにも見事に打ち上がったので、お披露目したかったんだろか?だけど、あたしゃゲーリーが打ち上げ花火状態になっているのを見て「た〜まや〜!」と叫べるほど寛大な人間ではないんだってば。

決死の覚悟で便所ブラシを握りしめて擦るものの、ゲーリーシブキがブラシから目や口に跳ねたりしたら、本気で泣いてしまうかも知れないので、出来るだけ便器から身体を離して顔を背けて作業するんだけどさ。

それでも即、手や顔を洗いたい気分。

お陰で昼休みは完全に食欲を失っていた。この職場は、二日酔いでは絶対に働けない。働いたけど。

休憩明けの2時間半で14部屋のクイックメイクをしたって事は、まともに3時間だったら15〜16部屋の掃除をしてたって事だ。これが土日で6時間だったら30〜32部屋の掃除をしてたって事で、有り得ないから。

幸いにも30分の早帰りになったので、逃げるように帰った。

観楓会

2005年10月11日 らぶほ2
会社の観楓会が19時からなのに、30分の早帰りで17時30分に業務終了。家が近い人は一度家に帰ってから会場へ直行すればいいけど、Eさんや私のような遠距離通勤(それほどでもないけど)組は困ってしまった。

みかやん「Eさん、7時までどうしますか?私、元ボート部ですから近くの公園でボートでも乗りますか?凄い勢いで漕ぎますよ」

Eさん「あはは!女二人で真っ暗な公園でボートに乗って、ムード出してどうすんのさ」

Cさん「寒くて風邪ひくべさ。うち、来るかい?狭くて汚い所だけど」

って事で、BさんとDさんとも合流してEさんと私もCさん宅へお邪魔した。

Cさん宅は地下鉄駅のすぐ傍で、会社にも近いし今日の観楓会会場も目の前。ワンルームだけど、社長室に有るようなゴージャスな応接セットやセミダブルのベッドを置いても広々としてて11階建てマンションの11階なのに、家賃35000円って聞いて一同ビックリ。

おまけに突然お邪魔したにも関わらず、台所に水滴一つ無いし床にも塵一つ落ちてなくて、みんな「どこが狭くて汚いのさ!」と言っていた。ここまでは女5人で大はしゃぎして楽しかった。で、会場入り。

   Eさん Cさん Kさん
Lさん
    私 Bさん Dさん

↑こんな形で席について、タダのジンギスカン&ビールを猛然といただいていた。もう暫くはジンギスカンを食べたくないですってぐらい満腹になった頃、CさんがのKさんに話しかけた。

Cさん「ココは女ばかりの職場だからね。先輩を立てる事とか年功に気を遣うのが大事なんだよね〜」

Kさん「それじゃ私が先輩を立ててないみたいじゃないですかっ!」

Cさん「いや、そーゆー意味じゃなくて・・・」

Kさん「私が先輩を立ててないって言いたいんですよねっ!」

Cさん「そーじゃなくて!人の話、聞きなさい!」

Kさん「だって私が悪いみたいじゃないですかっ!」

Cさん「だから!聞け!人の話、聞きなさい!聞きなさいって!」

---ふと見たら、ここで二人して腕をつかみ合ってるんだもの。取っ組み合いになるんじゃないかと思わず立ち上がったら、後の席の人達も振り返って注目してた。

Kさん「生意気かも知れないけど、私は私なりにちゃんと先輩を立ててるつもりですっ!いろいろ有りましたけど(Bさんに注意された)今日だって、改めて”宜しくお願いします”って意味で来たんですっ!」

---はい。誰もKを誘ってないのに勝手に来ました。

Cさん「聞け!って言ってるべさ!誰もアンタが悪いなんて言ってないべさっ!ただ、ココは女の職場だからって事を・・・」

Kさん「私が先輩を立ててないみたいな言い方じゃないですかっ!」

酒のせいか何か知らないけど、物凄い怒鳴り合いになって割って入る隙も無かった。どうなるかと思ったら、突然二人とも押し黙った。すぐにお開きになって、Kさんは逃げるように帰って行った。

Cさんの怒りがおさまらないので、BさんとDさんと私とで再度Cさん宅へお邪魔して飲み直した。

Cさん「随分生意気な女だわ。わちも頭にきたよ。あの言い草は無いべさね。あのKってとんでもない女だわ」

みかやん「ホントだよね。Cさんなんか、怒ったわけじゃなくてアドバイスしただけなのに、あんなにギャンギャン吠えられるなら、あのババアにはなんにも言えないわ(酔ってます)」

Dさん「びっくりした」

Bさん「私も最初からいけ好かない女だと思ってたから、喋らないもの。生意気だね〜。あんな女、初めて見たわ。いいべさ。これで辞めるべさ。いい気分だ。あんなのなら要らないもの。先輩を立ててるって人の態度じゃないべさ。謙虚さってものがまるで無いもの」

みかやん「あーゆー自分を分かってない女は、何事もなかったように会社に来やがるんですよ。あのきかなさですよ。こんな事で辞めるタマじゃないです(酔ってます)」

Bさん「来たって私は相手にしないよ。構わなきゃ居られなくなって辞めるべさ。私はあんな女と喋らなくたって痛くも痒くもないし、何にも困らないもの。あんな女、すぐ居なくなるって。しかしまぁ人の話を聞かない女だよね。聞かないしきかないし最悪だわ」

Cさん「わち、こんなに頭にきたの初めてだよ!」

Dさん「分かるよ、Cさん。みんな分かってるからね」

みかやん「そーそー。みんな分かってっから」

みんな酔って言いたい放題だった。タダ酒が効いたようだ。Kが居たばかりに、とんでもない観楓会になった。
11:30-17:30 本メイク4+クイックメイク9部

今日は、Cさん(60代前半・元看護師)とLさん(30代後半・元ホステス)、Eさん(50代後半・高見沢俊彦似)と私の勤務。Eさんと2人で組むの何ヶ月ぶりだろう?ってぐらい久しぶりで、ちょっと緊張した。Eさんは指導の厳しいA班で修行してきた人だけあって、仕事に対しては一番厳しいんだもの。

A班がどんなふうに厳しいかと言うと、先輩に「そこ拭いたの?」と聞かれて普通に「はい!拭きました!」と答えると「拭いてるところを私が見てないんだから、見てる前でもう1回拭きなさい!」と怒鳴られるそうだ(怖)。そのせいかどうか知らないけど、Eさんにも軽く怒鳴り癖がついてるというか何と言うか。

まぁ私は怒鳴られたぐらいで凹んだりするタマじゃないからいいんだけど。それに私がこの仕事の経験者だと言ったら、ピタリと怒鳴られなくなったし。それよりも何よりも、今日はCさんが初めて新人さんと二人で組むと言うではないか。IさんともJさん(退職)ともKさんともLさんともM君とも二人だけで組んだ事は無かったそうだ。

そういやCさんたら未だにモニターの見方を把握してない。Cさんに「モニターの”誘”って何だったべか?」と聞かれ、最初は真面目に「”誘導”って意味で、玄関のパネルでお客さんが部屋を選んで、部屋に向かってる最中だからお客さんが部屋に入るまで廊下に出られないよ」と説明してたけど、何度も聞かれるので面倒になる。

それでつい「あぁそれね。”誘惑中”さ。玄関先で男性客が女性客を誘惑してる最中なんだよ」と、しょーもない事を言ってみたら、Cさんてば「あぁお客さんがこれから部屋に入るんだのかい」と言ってニコリともしないんだから。全くもう。分かってるんだか分かってないんだか。

思わずEさんと声を揃えて「Cさん、大丈夫なんだべか?」と言ってしまった。

昼休み、Cさんは「やんや、何とかかんとかやってたから〜。にゃはははは」と豪快に笑いながら戻ってきたけど、どうなんだか。

休憩室のテーブルの上に通達が乗っていて、我がB班のM君が退職したと書いてあった。3日働いたきり出勤して来ないし、その3日目にKさんがウザくしたから「チビババアがウザくて辞めたんじゃないの」と噂になってたら、そのとおりになっていた。私なんか一度もM君に会えなかったよ。ジャニーズ系だ!美形だ!と評判だったのに、なんてこった。

その通達を見たフロント可愛い人が「何日か前に、辞めたAさんからフロント二宮和也似君に何度も何度も電話がきてた」って話を教えてくれた。

Eさん「何それ?”ノンノンばまだそごで使って貰えねえが?頼む〜。はだらがしてくれぇ”とでも言ったのかい?」

可愛い人「そうじゃないの?知りたくもないから二宮君にも聞かなかったし。でもA班のフロントの人が聞いてみたら”Aさんはもう結構です”って言ってたらしいよ」

みかやん「そりゃそうですよねぇ。むしが良過ぎますよ。そうじゃなくても出戻りなのに」

Cさん「Aさんて出戻りだの?」

Eさん「最初はココのC班に居て、辞めてホテル○Cへ行って、○Cを辞めてココのB班に来たんだよ。当時のマネージャーに泣きついたって話さ。よく泣き落とせたって。掛け持ちの仕事がテレクラのサクラだって話だけど、それもどうなんだか」

みかやん「”中国の事をモンゴルって言うんだ”とか”中国から来るんだと。朝鮮人参だな”なんて、とんちんかんな事を言ってる人にテレクラなんか無理ですよね」

Eさん「どう考えてもタチンボかソープの裏方だよね」

Cさん「いやいや、タチンボの人やソープの人の方がAさんより全然まともだべさ。何するったって、よっぽどのコネが無いば、Aさんだら働けないさ。あ、今、701号室が誘惑中になったよ!ちょっと、みかやんだら誘惑中だとさ。にゃはははは!誘惑中だと!」

60代ともなると、笑うタイミングまでズレてくるのかい?それにしたって朝から昼までズレるかい?今更笑われてもね。しょーもない事だし。

Aさんはどこで何をしているやら。M君には一度は会ってみたかった。私なら目に入れても痛くないぐらい可愛がったのに。
早めに出勤してBさんと少し話しをした。

Bさん「そう言えば屋上で焼肉やった時、みかやんたらフロント子持ち君(28歳)の膝にちょこんと座って、ニコニコしながらずっと話してたわ。覚えてないっしょ?」

みかやん「は?それ私じゃなくて違う人じゃないですか?」

Bさん「やっぱり覚えてないの?すぐ言ったらみかやんの事だから照れてフニャフニャになると思ったから、ほとぼりがさめた頃に言うつもりだったの」

みかやん「そんなの今聞いたって照れてフニャフニャですよ〜。や、どーしよ〜?握ったりとか触ったりなんかはしてないですよね?ね?あ〜れ〜全然覚えてない」

Bさん「アンタ何か可笑し気な事を言ってないかい?ナニしてたんだかよく分からなかったわ。二人だけの世界になってたもの」

あの日の22時から翌1時の記憶が無い。Cさん宅で目覚めて、まずケータイをチェック。まともな友達に猥褻なメールを送りつけていないか確かめたり、とんでもない写真を撮ってないか確かめたら、フロントイケメン君の写真が有った。あたしゃ何をやってたんだか。

その後にBさんから「11日は会社の観楓会」だと聞かされたけど、もう深酒なんか出来るわけがない。

11:30-18:30 クイックメイク23部屋

今日はBさん(60代前半・元スナックのママ)とIさん(20代前半・中国育ちの韓国人)、Kさん(51歳・チビウザ子)と私の勤務。ハッキリ言ってKさんとベアのクジはハズレ。BさんとIちゃんのペアが羨ましくテンションが下がる。

だけどこの職場で、ぶんむくれていたりテンション低〜くいたりすると、ろくな目に遭わないという事を知っているし、そうじゃなくても私は人より風呂ラッキーを引き当てる事が多い(風呂ラッキーの女王)分、汚物に見舞われる事も多いんだもの。

でもでも、Kさんが「みかやんだとか仕事が早い人が手伝ってくれるのを疑問に思う」と話していたという事をさっきBさんから聞いたばかりで、どうしたって軽くムカつくのさ。

BさんはKさんに「みかやんみたいに仕事が早くてどんどん部屋を上げてくれる人を会社は大事にするけど、Kさんみたいに仕事が遅い人はハッキリ言って要らないんだわ」と言い返したそう。

今日は絶対に手伝わない!フロントから「遅い!」と苦情がきたら「Kさんがまだなんですよね〜」とアンニュイに答えよう!と心に決めた。

ところが敵もさるもので、絶対に手伝われたくないらしく、遅いなりにも死にものぐるいで仕事してたよ。勝手にして!って感じ。めんどくせえババアだよ(爆)。お互い喋らないからウザくなくていいのさ。フンだ!

と思いながら風呂掃除をしてたら、蛇口にスキンが結び付けられているのを発見してしまった。くおぉ!ホテルQ時代からの私の天敵じゃないかっ。男の力でガッチリと結ばれたスキンなんか、女子供にゃほどけやしないって。

前回は蛇口に巻かれたスキンをカッターで切ったものの、切る場所を間違えたばかりに中身がデローンと出て、白子臭が浴室に充満したんだった。素手でほどくのも気がひけるし。過去の失敗を思い出しながら、手にゴム手袋をしてチャレンジしてみたら、あっさりほどけて脱力した。

いつもの私なら、その日の相方に「ちょっと見て!」とか絶対言うのに、相手がKさんだったので言うのも面倒くさくて言わなかった。こんなテンションの日に「それはアレですか?コレですか?ソレなんですか?その場合はどうするんですか?ああするんですか?それともこうするんですか?」などと言われたら、間違いなくキレる。

でも言いたい(笑)。

昼休みにBさんに話した。

Bさん「えーっ?ゴム手袋でほどけたの?でもなんだって、そんな所に結んだんだろうね」

私「ホントですよ!オミクジじゃないんだから!結んで帰らないでよね(怒)!って感じです」

Iさん「オミクジてナニ?」

みかやん「あ・・・(Iちゃんも居たんだった)」

オミクジについての説明は他の人に任せた。

BさんはBさんで今日はIさんに「オリコウてナニ?」とか「ツイデてドンナノ?」「セカセカてドンナ?」とか「コセコセとチガウか?」と質問攻めにあって、疲れきっていた。

今日はBさんと組みたかった。

18時30分。仕事を終えるとKさんは凄い勢いで帰って行った。ガンガン進んで、バンバン連れ回したから、あのババアも疲れただろうな。てか、私も疲れた。
11:30-18:00 本メイク5部屋+クイックメイク11部屋

今日はEさん(50代後半・高見沢俊彦似)とCさん(60代前半・元看護師)、Dさん(20代前半・金髪&ピアス)とLさん(30代後半・元ホステス)と私の勤務。

1回目の風呂係の時は、排水溝の蓋の上にタンが吐かれてた。ゲロみたいに匂わないからいいけど、タンだってかなりキモい。泣く泣くシャワーでお湯をかけたけど、黙って見てるとタンが恐ろしくキモい様相に変化しながら流れていくので、完全に流れ去る頃まで見なかった。

2回目の風呂係の時は、運悪く循環風呂に当たり、マヌケなフロント補助係が風呂のドアを閉め切って放置していた為、完璧なまでに鍾乳洞化していた。力なく「ばばんばばんばんば〜ん♪」と歌いながら、バスタオルの端を持って天井へ振り上げた。

いつもならバスタオルが天井の水滴を吸うのに、あまりにも鍾乳洞化していた為、天井の水滴が落ちてきてズブ濡れになった。そこへDさんが様子を見に来てくれた。

「う〜わ〜。今迄で一番酷いわ。手伝うからちょっと待ってて」と言って、スロット台用の不安定な折りたたみ椅子と大量のバスタオルを持ってきてくれた。

二人とも頭からバスタオルをかぶり、Dさんがへっぴり腰で不安定な椅子に乗り、私が重心を低くして力一杯椅子を押さえた。絶対にヒトサマには見られたくない姿だ。Dさんは水滴が落ちないように静かに天井を拭いてくれたが、それでも水滴が降ってきて、二人で「うわーっ!冷たい!」「ぎゃーっ!冷たい!」と大騒ぎだった。

二人とも首は痛くなるわ、腕は上がらなくなるわ、疲労困憊のところでようやく休憩時間を迎えた。

休憩室はLさん大演説会になった。まぁよく喋る人だが、喋りが物凄くオバサンっぽい。元ホステスというより団地のオバサンって感じ。

「隣の婆さんは金持ってるからみんなに大事にされるけど、向かいの婆さんは金持ってないから、病気にでもなられたら迷惑かけられるって親戚も寄り付かない。これからは長生きしたかったら金持ってないばダメだ」とLさんは熱く語ってたけど、これが30代の話だろうか?

EさんとCさんは熱心にLさんの話を聞いていたが、Dさんと私はついていけなくて、コソコソと二人で別の話をしていた。

Dさん「Lさんて完全にオバサンだよね。みかやんみたいに若い友達の中に居る人とは違うわ。でもアレが普通の30代なのかい?違うよね?」

みかやん「向こうが普通かもね。クラス会とか行くと子供の話と旦那の話と夫婦の話でさ、あたしゃなんか話が合わなくて浮くんだ。若い友達と居る方がラクだよ」

Dさん「だって私とも普通に一番話しが合うもんね。Iさんも懐いてるし」

みかやん「いやいやいや。やっぱりLさんが特別地味だよ。50代60代の人に講演してるんだから、ホントは70代なんじゃない?」

Dさん「あはは!確かに!きっと中身は70代だよ」

それ以来、Lさんが何を話してもDさんと私は可笑しくて仕方なかった。

夕方、Dさんが「トイレ入りま〜す」とトイレに行って、満面の笑みで戻ってきた。

Dさん「こないだCさんとベッド組んでたら、Cさんがモジモジしてたから、トイレなら行きな!ってトイレへ行かせたんだ。小だと思ってたら大でさ、掃除もしてくれてなかったのさ」

みかやん「えー!トイレ使ったら掃除して出てくるよねぇ。客室なんだもの」

Dさん「私がトイレ係だったから掃除に入ったんだ。そしたら臭くてめっちゃウケたよ。掃除もしないで出てきたのにもウケたけど、臭いのにウケまくったさ」

みかやん「それ笑うところじゃなくない?」

Dさん「あんまりウケたからEさんに話したら、Eさんも被害者だったさ」

みかやん「Cさんてば汚物や匂いには完全に麻痺してるよね。さすが元看護師!でもねぇ」

Dさん「Eさんは”誰だか分かんないお客さんのより、犯人が分かってる方がキツい”って」

みかやん「あはは!そりゃ確かに」

Dさん「ね?ウケるでしょ?」

みかやん「けど、私には無理。罠とか嫌がらせじゃないにしても無理」

Dさん「だって、つらっと”お待たせ〜”ってトイレから出て来られたら、臭いなんて思わないでしょ?ところがもう鼻曲がったからね。みかやんもそのうちCさんの被害に遭うよ」

みかやん「やーっ!怖い怖い怖い怖い。無理無理無理無理」

Cさんてば油断し過ぎだよ。お願いだから私と組んだ時は勘弁してって感じ。
昨夜、Bさんから電話がきた。明日は勤務表上では私とウザKさんの二人になっているが、新人Lさんも出番なので、「ウザKがまた出しゃばるようならビシッと言ってやりなさい」との事。だけど昨日、既にBさんがウザKにキツいお灸をすえたそうだ。

Bさんは「まぁ51歳にもなって、あんなはんかくさい女、初めてみたわ。言いたい事は全部言ったけど、”そうですか”で終わったんだよ。スミマセンの一言も無いのさ」と怒り狂っていたけど、私は”はんかくさい”という言葉を久々に聞いた事に感動していた。

11:30-18:00 本メイク5部屋+クイックメイク11部屋

今日はKさん(51歳・チビウザ子)とLさん(30代後半・元ホステス)と私との3人勤務。一昨日は新人M君が出勤だったので、仕事を教える為に新人M君にEさんとCさんがついて、残ったKさんとLさんでベアになったそうだ。本来ならKさんとLさんの新人同士をペアにはしないが、仕方なかったらしい。

んで、一昨日に新人同士助け合って組んだせいか、KさんとLさんがめっちゃ仲良くて、何となく疎外感を感じていた。Lさんはホステス上がりだけあって話好きで、私にも話しかけてはくれたけど。

Lさんのお友達がホテルKで働いていたFJさんだったそうだ。ホテルKと言えば、先輩Hさんの異動先で、フロントF氏が長く働いていたところで、ホテルQの改装中はOくんもお世話になったところだ。懐かしい、あまりにも懐かしい。

Lさん「FJさんが”こんなラクな仕事は他にないわ。3人でやってたけど3人で充分。暇で暇で”って言ってから、ラブホで働く事にしたのに全然忙しいんだもの。FJさんに騙されたよ」

みかやん「だってホテルKって特別に暇な所だもの。部屋だって9部屋しかないんだよ。私の先輩と後輩も寝たり起きたりしながら働いてるって言ってたもの」

Lさん「9部屋って!ココの6分の1じゃない!そんなラブホも有るんだぁ。それじゃ暇なハズだよねぇ。私もそーゆー小さいラブホへ行けば良かった。ココは大き過ぎるよね」

みかやん「ねえ・・・」

ホテルQ時代を思い出すと、何だかホームシックみたいな気持ちになる。

次の部屋ではKさんとベッド組み。大した話もしなけど、Kさんて結構独り言が多い。相づちしていいやら悩むよ。「あれ?スタンドどこ行った?あぁコレだ。いや違ったコレはタクシーだった」とか言ってたけど意味が分からない。

タクシーって何?と思ってよく考えたら、ベッドの枕元に置いてあるバイアグラの仲間”MAX”の広告の事じゃないか。マックスをタクシーだなんて。でも相手がKさんなので笑えなかった。

次の部屋では私が風呂係。部屋に入ったとたん、物凄い中華料理の匂いがした。

みかやん「うわっ!コレ中華の匂いだよね」

Lさん「何かは分からないけど絶対中華料理の匂いだわ」

なんて話しながら、私はいそいそと「何も〜言わずに〜気持ち〜通じ合えたら〜多分〜素晴らし〜いだろ〜お〜お〜(中華料理/山崎まさよし)」と鼻歌を歌いながら風呂へ向かった。

風呂にも中華料理の匂いが充満していた。しかし軽く酸っぱいような匂いMIXバージョンではないか。辺りを見回しても怪しいモノは無いが、もしや?と恐る恐る排水溝の蓋を開けてみたら、おじや状になったご飯がてんこ盛りになっていたではないか。

思わず「うわっ!ゲロご飯だぁ」と叫ぶと、洗面係だったKさんが風呂に入って来た。Kさんは「うわっ!臭っ!」と叫んで、凄い勢いでトイレへ駆け込み「うえっ!おえっ!」と言いながら口元を押さえて涙目になっていた。

Kさんは「危なかった〜。もうちょっとで本当に貰いゲロするとこだった。酷い匂いだもの。おえっ!あぁダメ。今度は思い出しゲロしそう」と言いながら、今にも吐きそうな様子。そういや私は最近風邪気味で犬並みの嗅覚が働かなかった。良かった。

そうじゃない。風呂にはまだてんこ盛りのゲロご飯が有る。辞めたAさんのようにゴム手袋をして、大量のティッシュでゲロご飯をつかんだ。一度で取りきれなかった残飯は「ごめん」と言いながらシャワーのお湯をかけたら、残飯は無事流れてくれたけど、今度は匂いが上がってきて酷く臭い(泣)。

ゲロはトイレで吐くか、汚物入れにでも吐いて持ち帰って欲しいものだわ。これで暫く中華料理とおじやは食べられない身体になってしまいましたとさ。
11:30-18:30 クイックメイク20部屋

今日はEさん(50代後半・高見沢俊彦似)とIさん(20代前半・中国育ちの韓国人)、Cさん(60代前半・元看護師)と私の変則勤務。今日は日曜なので、本来なら11時出勤だがCさんと私のベアだけ30分遅れの出勤だった。

Cさんといつもどおり「ありがとう」「すみません」と声を掛け合いながら仕事をした。手伝って貰ったら「ありがとう」、迷惑かけたら「すみません」、考える余地もなく当たり前の事なのに、51歳になっても出来ない人(Kさん)がいるんだからビックリだよ。

Cさんに一連のKさん(50代前半・145cmウザ子)にまつわる話をした。

みかやん「てなわけでさ、猛省したんだ。Cさんもブチギレる前に私の改善点を言ってね。真摯に受け止めるから」

Cさん「なんもさ。みかやんがみんなに可愛がられるのは先輩を立てるからだよ。Kさんみたいな生意気な事してたら、そのうち居られなくなるわ。Kさんがわちの前で生意気な事をしたら、わちなんかただじゃおかないよ」

みかやん「いやいや、女の職場が久しぶりでさ。いろいろと気遣いが足りなかったよ。男の子でも居ればクッションになっていいんだけどねぇ。男の子はサッパリしてていいよ」

Cさん「うちの班に入った男の子、たいしためんこいんだわ。だけどもおとなしい感じなんだよね」

なんて話しながらベッドを組もうとしたら、おねしょマットに大きな血のシミ。

みかやん「あれ?こう見えて洗ってあるんだわ」

Cさん「渇いてしまってから水洗いだけでないの?これだら洗ったうちに入らないわ」

みかやん「ちょっと甘いよね。漂白剤なりマジックリンなりつけないとねぇ」

Cさん「そうそう!病院でも血にマジックリン使ってたもの」

おねしょマットの洗濯はフロントの仕事だし、ケチをつけるワケにもいかないので「洗ってある。こう見えて洗濯済み」と言い聞かせて、普通にベッドを組んだ。

ところが次の次の部屋には血がつきたてホヤホヤのおねしょマットが剥き出しになっていた。さすがに目をつぶってその上にベッドを組むわけには行かないので、当然取り替えた。最近、フロント陣の仕事やり残しがめっちゃ多い。

ポットのお湯を捨て忘れてたり、洗顔セット等を置き忘れてたり、ベッドを組もうとしたらシーツが無かったり。みんな「新人フロントの陰気渦巻きの仕業ね!」と思ってる。

休憩中、フロント可愛い人に我がB班の新人M君について聞いてみると「ジャニーズのね、V6のね、えーと、名前忘れたけどV6の人に似てる」という返事。キャーッ!岡田君似だったらどうしよう!けど、名前忘れるぐらいだからイノッチか、森田君じゃなくて坂本君でも三宅君でもないあの人!私も名前を忘れたよ。

相変わらず陰気渦巻き君は瞑想中で、それを確認の上でCさんが「今日、ポットのお湯の捨て忘れが凄く多かった」とボヤいたら、突然陰気渦巻き君が瞑想から覚めて「忘れてましたか。すみません。気をつけます」と口を開いたので一同ビックリ。

いつも深い瞑想に入ってると思ってたら、うちらの話を聞いてたのかい。

今日最後の部屋へ移動しようとしたら、隣の部屋の入口に若い女性が立っていたので、私達は部屋から出るに出られずにいたが、その間にも刻々と時間は過ぎていく。「あぁ最後の部屋を13分で上げなければ。12分で上げなければ」と焦った。

デリヘル嬢らしい女性は何をしているかと思えば、懸命にドアをノックしてるではないか。「ドアの横にピンポンついてるから押してよね」と私が思うより先に、Cさんが女性に「ピンポン押したらどうですか。うへへ」と声をかけた。

女性は私達の方を見てにっこりと微笑んで「ドアベルついてたんですね。すみません」と言った。なんて上玉!とも驚いたけど、Cさんの突飛な行動には時々驚かされる。Cさんクラスのおトシになると怖いもの無しなのね。でもアンタ「うへへ」って。

萎える私を尻目にCさんは「ほれ、あの人、ほれ。商売の人だべさ?普段から商売やってればドアにピンポン付いてる事ぐらい分かるべさね。あれっ?もしかして商売の人でなくて、ただのお連れさんだったんだべか?やんやわちだら、どうするべか。まぁいいさね。へへへへ。うへへへ」と笑ってた。

ま、CさんらしいっちゃあCさんらしいよ。でも脱力した。
11:30-18:00 クイック19部屋+ベッドのみ1部屋+待合室

今日はBさん(60代前半・元スナックのママ)とIさん(20代前半・中国育ちの韓国人)、Kさん(50代前半・145cmウザ子)と私で、クイックメイクの日。

IさんとKさんはギリギリの時間に出勤してくるが、Bさんと私は出勤が早いので少し話をした。

Bさん「我がB班に、21歳の男の子(M君)が入ったの。めんこいんだわぁ」

みかやん「そうなんですか♪」

Bさん「仕事も覚えてくれてちゃんと出来てるのに、あのウザ子(Kさん)が、自分の仕事もそっちのけで、M君につきっきりなのよ。誰も頼んでないし、ウザ子だって新人なのに、何やってんだか。私、風呂掃除してたんだけど、ウザ子のうるさい声が聞こえたから風呂から出たの。そしたら”あとはBさんに聞いて”ってM君に言ったのよ。ずうずうしいわぁ」

Bさん「今の若い子なんか特にウザいのが嫌でしょ。私はM君に仕事を教えるのを放棄してたんじゃなくて、M君がちゃんと仕事が出来てたから、安心して目を離してたのよ。初日と2日目でEさんと私がきっちり仕事を教えたんだから、仕事の後にチェックしてあげればいいでしょ。それを新人ウザ子が出しゃばるもんだから、本気でムカついたわ」

う〜わ〜。どっかで聞いた話。前のラブホで”お喋り”とか”PTA”と呼ばれてた、あのイカレ腐れ女とおんなじじゃん!俄然ムカついた。

みかやん「それはムカつきますね!自分、新人なんだから先輩に任せればいいじゃないですか!しかも初日じゃないなら、明らかに違う事をしてた時に注意したり、質問された時に答えればいいじゃないですかっ!3日目の新人に、何で半月やそこらの新人が手取り足取り教えなきゃならないんですか。出しゃばりにも程がありますね。Bさんにも失礼ですよ!」

みかやん「新人Lさんにも偉そうに仕事を教えて”Kさんてベテランだと思ってた”なんて言われて、調子に乗りやがったんですよ。身の程をわきまえろ!とガツンと言ってやって下さい。ウザいだけだと思ってたらとんだ勘違い女じゃないですか!あの手の女は放っておいたら即のさばりますよ。Bさん相手にナメた真似して、パッと出の女が何様気取りですかっ!」

Bさん「ど、どうしたの?急に」

みかやん「あ・・・。生意気言ってすみません。前のラブホにも同じタイプのイカレ女が居て、何でも知りたがって聞きかじりの知識を後輩達にひけらかしたり、本人も新人なのに先輩を差し置いて出しゃばってばかりで、度が過ぎていたので本気でムカついていて」

Bさん「あんなの他にも居るの?私はKさんみたいな出しゃばりでウザい女は他に居ないと思ってたわ」

そこへKさんが出勤して来たので、話を中断したが、私は激高のあまり鼻息が荒いまま。こんな日に限って何故、私とKさんのペアなんだか。部屋に着いた頃には萎え萎えだったけど、当たり障りの無い話を振ってみたさ。

みかやん「なんか今日、久しぶりに暑いよね」
ウザK「・・・」

みかやん「あと3部屋ぐらいでお昼だね」
ウザK「・・・」

ヲイ!シカトかよっ!そのくせ、Kさんは私にウザい話を振ってくるのに、私の発言は丸無視だよ。耳が悪いんだか、仕事で精一杯なんだか。

部屋掃除用バッグに掛けて持ち歩いている部屋掃除用洗剤が無くなっていると、ウザKが騒ぎ出した。部屋掃除をした人が次の部屋まで部屋掃除用バッグを持って歩くんだから、無くした犯人、お前じゃん!と思ってたんだけど。

あのババアは「部屋用洗剤、どこに置きました?無いんですけど。どこかに忘れました?どこに置きました?どこかに置き忘れたんですか?どこですか?前の部屋ですか?前の前の部屋ですか?無いんですけど。私が探してきますか?どうしますか?どうしたらいいでしょう?」と、ほざきやがった。

何を根拠に私を犯人扱いするんだか。明らかに犯人お前だよ。それを「アンタが無くしたけど、私が探してこようか?」って言い方をしやがった。

はい。ブチギレました〜。イエーイ!

違う。激しく自己嫌悪。こんな時は仕事に精を出すしかない。最後の部屋でKさんは「今日は殆どの部屋のトイレ掃除をやって貰って、ゴメンね〜。や、ごめんねって言うのか何なのか・・・」だとさ。51歳にもなって、そんな事も分かんないのか。

あーあー。最低だよ。お互いに。

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