11:30-18:00 クイックメイク21部屋

今日は、Cさん(60代前半・元看護師)とSさん(10代後半・初バイト)と私の三人勤務の予定が、フロント可愛い人(同い年・居酒屋勤務)が欠勤した為にSさんがフロント補助係になり、Cさんと私の二人だけの勤務になった。

だけどセット済みの部屋ばかりで殆ど満室の状態で、まるでベッドメイクが追付いていない状態だ。それなのに朝のA班さんが1隊、我がB班も1隊、売り部屋は少ないし、人手は足りないし、先が思いやられる状況だった。

売り部屋が数部屋なのに対して、セット済みの部屋は数十部屋。たった2隊でベッドメイクをしたところで焼け石に水だ。口には出さずとも諦めムードを漂わせていたら、Cさんが立ち上がった。

Cさんは「何とか頑張ってお昼までに最上階の部屋を全部やっつけるべし!そしたら後はラクだべしゃ!アンタは仕事が早いから大丈夫だわ!わちも頑張るから頑張るべし!連れてってや!」と、珍しくやる気満々じゃないか。ええ?

先日の「三人勤務はイヤ」だの「休みたい」だの文句を言っていた婆さんと同じ婆さんとは思えない発言に圧倒された。しかも朝から妙にテンションが高かった。

「お昼までに最上階の部屋を全部やっつけるべし!」と口で言うのは簡単だが、実際、最上階は無駄に広い部屋のオンパレードだし、最強の4P部屋や、ミストサウナ付きの部屋やら、小上がり付きの部屋もあって大変だ。値段の高い部屋に限って荒らされてるもんだし。

それでもCさんは怯まなかった。これが謎の新エネルギー老人力というやつなのか?否、老人力とは老人パワーと違って、力を抜くとか自然に力が抜けるとかいう意味合いやら、忘却力みたいなことだったハズだ・・・そんなことを一人でブツブツと考えていた。

だって、Cさんのテンションの高さについてけなかったんだもん。

ボーッとしながらベッドを組んでいたら、Cさんに「アンタ、ほれ、枕カバーに穴開いてるよ」と声を掛けられ、見てみると穴と言うよりかぎ裂きになっていたので、新しい枕カバーを取りに行った。どっちが老人なのか分からない(爆)。

Cさん「枕カバーに穴って珍しいよね。シーツや包布にはよく有るけどしゃ。なんだべね?」

みかやん「さぁねぇ。お客さんでも噛み切ったんじゃないの?」

Cさん「やーっしゃっしゃっしゃっしゃっ(笑)!良くて良くてお客さんもなんも枕カバーを噛み切ったってかい?しゃはははは!」

みかやん「そうなんじゃないの?」

Cさん「しゃはは!アンタだら言うこといいもね。アンタもX君とホテル行って、なんぼ良くても”ホント無理〜!”とか言って枕カバーを噛み切ったりしたらダメだからね。や〜、アンタと組んだら可笑しくて退屈しないもね〜。ひゃーはっは!」

そんなにウケられてもねぇ。だから、X君にはそーゆー所に誘われてないんだってば!行〜か〜な〜いって。X君から見たら、私なんかも老人の部類なんだってば!フンだ!うわあぁぁぁん!

何とか昼休みまでにCさんが言ってたとおり最上階のセット済みの部屋を全部片付け、萎え萎えだった私の心にも達成感が湧き上がった。

夕方、ベッドを組んでいてシーツに穴が開いているのを発見して、Cさんは「ほれ、ここにも良くて良くて噛み切ってるお客さん居たわ。満足して帰ったんだべさ。良かった。良かった」と、また大爆笑だった。

いつものCさんなら、夕方になったら「疲れた」とか「帰りたい」とか「早帰りにならないべか?」と言って弱音を吐き始めるのに、今日はどうしたんだか。

帰り、Cさんは「わちら今日、頑張ったよね。最上階9部屋やって、昼休み明けから12部屋やったもの、頑張ったわ!アンタのお陰だわ。わちば手伝って疲れたべさ、ほれ、コーラでも飲みなしゃい!」と言ってコーラをご馳走してくれた。

結局、今日はCさんは「疲れた」とは言わなかった。恐るべし老パワーだ。

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