22:17-8:45 B番 

今日はA番がEさんで、C番がB君だった。レジが忙しくなるとB君がレジに入ってくれたので、お客さんがひいた後で「ありがとうございました」と言うと、B君に無言で立ち去られた。「仕事なんだから、いちいち礼を言わなくてもいいよ」と思ってるのか、照れ屋さんなのかよく分からなかった。B君は整った顔立ちゆえに黙っていると、怒っているように見えたりする。

1回目の休憩を終えてレジに入ると、私が心の中で「アニキ」と名付けたお客さんが来た。2度目のご来店だが、1度目のご来店時の印象があまりにも強烈でよく覚えていた。

アニキは年齢40〜45才ぐらい、細身の身体に黒のスラックス、黒と銀ラメのシャツにテカテカの髪。当然、ロックなおじさんなのではなく、一見して893系のお方とわかるいでたちだ。しかも眼光が鋭く、とても怖いオーラを放ってらっしゃる。一度目のご来店の時には「今、レジ操作を間違ったら死ぬな」と思ったほどだ。

私が震える声で「○○○円頂戴します」と言うと、やにわに片手を胸ポケットに、もう片方の手をズボンのポケットに入れたので、最初は「撃たれる!」とか「刺される!」と思って身構えたりしたが、ポケットの中から一万円札と千円札の札束を出しただけだった。アニキは千円札は2〜3枚しか持っておらず、1万円札をゴッソリ束で持っていた。それを財布からではなくポケットから出すあたりが実にアニキらしい。

アニキは前回同様に1万円札を出した。私は満面の笑みのつもりの引きつった笑顔を浮かべ「1万円お預かりします。先に5千6千・・」と、先に札のお釣りを渡し、次は小銭のお釣りをお渡ししなければ!と思ったところで、アニキがレジを離れて帰ろうとする。前回も非常に焦った。

あのテの方に対して「お客様、小銭のお釣りをお忘れです」だなんて言ったら、それこそ刺されそうだし、かと言って「少々お待ち下さい。今、お釣りを」とまごまごしてお待たせするのも怖い。前回と同様に「あ!(あの)お!(お客様)え!(えーとえーと)」と何と言ってよいか分からず、しどろもどろになっていると・・・。

アニキは振り返り「ツリ、募金箱にでも入れて」と言って立ち去った。

私はアニキの後姿に大声で「ありがとうございます!」と叫んだ。前回も今回も小銭のお釣りは募金箱行きだ。このような無口で強面の人の善意に胸を打たれ、私はこの人を心の中で「アニキ」と呼ぶ事にした。アニキの次にレジに並んでいたのは50がらみの男性だったが、アニキの後姿を見送りながら「カッコイイねぇ。でも、僕はお釣りを貰うよ。ごめんね」と私に謝ってきた。

B君が、私と目も会わせなようとしない事や、いくら「ありがとうございます」と言っても、うんともすんとも言わない事が多少気になるまま朝を迎えた。

するとヤンTさんの飲み友達がゴキゲンでやってきた。一目見て「酔ってる」と分かる顔だった。

飲み友達「昨日の9時から今までね。ヤンTさんと飲んでたんだ。あの人、強いよね。飲み負かされたよ」

みかやん「ヤンTさん、お酒大好きですからね。でも”酒豪”と言ったら叱られるんですよ」

飲み友達「でもありゃ酒豪だよ。敵わないもの。はー。帰って9時に起きて仕事だよ」

みかやん「ええっ?今、7時ですよ。大丈夫ですか?」

飲み友達「うん。大丈夫、大丈夫!ほんじゃ頑張って〜」

みかやん「ありがとうございます。早く眠ってくださいね」

ヤンTさんの飲み友達の後ろに並んだお客さんが「うわっ!お酒臭いっ!」と言って咽せていた。ヤンTさんと10時間も一緒にお酒を飲めるなんて凄すぎる!

今日は、感動しつつアニキとヤンTさんのお友達を玄関から出るまで見送った。

自分の勤務が終わった後、アニキが残した小銭を募金箱へ入れて帰った。ありがとうアニキ!

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