あまりにも気持ちがクサクサするので美容室へ行った。こんな時は超脳天気な専属美容師君に会って、髪を切って貰おうと思ったのに、専属美容師君は休みだった。泣く泣く知らない人に髪を切って貰った。気持ちも新たに、今夜は何事も無かったような笑顔で出勤しようと思った。

夕方、Oくんからメールがきた。
「今夜は4人だよ。Mという25才・男の新人が来る。頑張って」
面接の時にMくんが言った「フロントでもメイクでもいいので、とにかく深夜に働かせて頂きたいんです」という言葉を常務が気に入って採用したらしい。Oくんもそうだったが「常務の面接で入った人はロクな人がいない」というのはホテルQで最も有名な噂だ。

0:00-6:00 9部屋掃除
今日はトドとYくんとの3人勤務。I氏が休みでフロントはM氏が代行する。11時55分になっても噂の新人Mくんが出勤して来なかった。C班の人達が「Mくんらしき人が来たらフロントへ行くように伝えるわ」と言ってくれたので、フロントへ出勤の打刻をしに行った。ホテルKから研修で来ているフロントSさんに聞いてみたが、Mくんからの連絡は何も無いそうだ。初出勤なのに遅刻ならまだしも、このままでは無断欠勤だ。

Yくん「困ったモンすね。今時の若者は」
みかやん「Yくんだって今時の若者でしょう」
Yくん「俺はそんな非常識な事できないっすよ」
みかやん「だよね。Yくんって若いのにしっかりしてるよね」
Yくん「いや〜。俺は普通っすよ」

Oくんと比べるとYくんはかなりリアクションが薄い。Yくんがベッドを剥ぐ様子を見ていると、シーツが血まみれになっていた。Yくんは無表情のまま眉一つ動かさず「あ」と、つぶやいただけだった。これがOくんだったら「ゲッ!血ぃっすよ!血!血!」と大騒ぎするはずだ。やがてベッドのリネンが全て剥がされたので一緒にベッドを組んだ。

Yくん「生理の時にヤるのって普通なんすか?」
みかやん「普通じゃないと思うんだ。でも血を見ない日は無いよ」
Yくん「酷い話っすね。いたわりの気持ちはないんすかね」
みかやん「世の男性が皆Yくんみたいだったら血は見ないのにね」

私がYくんから受ける印象は”硬派ヤンキー”だ。「俺〜〜なんすよ」と言う時、最後の「よ」を言う口が縦に大きく開き曲がる。YAZAWA風だ。「はい」と返事をする時も首を縦に振らずに、首が前に出る。しゃがんだ時は大股開きで腕がダラリと前に下がる。先輩のOくんの事は「Oさん」と呼ばずに「O兄さん」と呼ぶ。身のこなしや言動がどうもヤンキーくさいが服装は、ジャージ以外の時は若者らしく小綺麗だ。

一方、困った事がある。私が風呂係の時など、Yくんは近くにいるトドに質問をする。トドは水を得たトドのように得意気に指導をする。その繰り返しでトドはすっかり気を良くして、息を吹き返しつつある。一昨日までは私に対して敬語を使って大人しくしていたのに、今日はタメ口だし私に何かを言う時、言葉の端々に「うちの方が上なんやで〜」という敵意さえ感じる。ヤバイ。トドが完全復活しないうちに手を打たねば。

結局、新人Mくんは何の連絡もよこさないまま出勤して来なかった。こーゆー人は明日も来ないだろう。恐らく他にも面接を受けていて、他の会社の方へ行く事にしたのだろう。それならそれで連絡を入れればいいだろうに。

Yくん「今の若い奴。本当にそーゆー奴が多いんすよ。自分で希望しておいて、面接にさえ来ない奴もいれば、1日働いて次の日から連絡も無しに来ない奴とか、出勤前ギリギリに電話してきて”辞めます”と言う奴もいるし、最悪っすよ。俺はウエイターやピザ屋の頃に、そーゆー奴を何人も見てきてマジで腹の底からムカつきました。でもM君って人は25才なんすよね。大学卒業して就職してたらバリバリ入社3年目っすよ。25才にもなって、こんな事がまかり通ると思うような奴がココに来なくて良かったんすよ。逆に明日、来たりしたらそれはまたスゲエ奴っすけど」

”新人Yくん、今時の若者について大いに語る”というテロップを流したい状態だった。Yくんだって今時の22才の若者なのに、ちゃんとしていて実に頼もしい。それに比べて25才の南○男はどこで何をしているやら。ホテルQではフルネーム入りの打刻カードを用意して待っていたんだ。カード代返せ。

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