0:00-9:00 21部屋掃除

今日はNさんとOくんとの勤務。午前1時に出勤したI氏がすぐに私達の控え室へやってきた。

I氏「みかやん、222号室へ行って貰えませんか?お客さんが”できれば女性従業員にカラオケの使い方を教えて欲しい”と言うのでお願いしたいんですが」

みかやん「えーっ!部屋へ入るんですか?若いお客さんなら私、テレちゃいますよ〜」

I氏「大丈夫ですよ。年配のお客さんですから」

みかやん「じゃあ心細いのでOくんを連れて行ってもいいですか?」

I氏「はいはい。どうぞ二人で行ってください」

Oくんと222号室へ向かった。部屋の入口でブザーを鳴らしてドアを開け階段の下から「失礼いたしま〜す」と叫んだ。階段の上から男性の声で「どうぞ〜。お願いしま〜す〜」と言われて階段を上がった。部屋には60才代の男性と50代半ばの女性がいた。

男性客「いやぁすまんねぇ。初めてなもんだから。はははっ」

カラオケの使い方を一通り説明して帰ろうと思ったら男性客にとめられた。

男性客「試しに”加門亮のしゃれた恋”を歌いたいからセットしてくれ。加門亮、知ってるかい?」

みかやん「いいえ存じません。勉強不足でした」

男性客「いい歌を歌うんだよ加門亮は。じゃあ聴いていきなさい」

曲のイントロが聞こえてくると男性客はさっそうとマイクを持ち、歌い始めた。途中「曲の音量を上げてくれ」「マイクの音量も上げてくれ」と大騒ぎだった。曲が終わり仕方なく私とOくんは拍手をした。それで気を良くしたのか男性客が女性客に「チップを渡してくれ」と言い出した。

みかやん「頂くわけにはいきません。困ります」

男性客「いやいいんだ。仕事中に呼びつけたんだから」

みかやん「いいえ。これも仕事ですから」

男性客「こっちはこのぐらいのレベルの客なんだから受け取りなさい」

みかやん「ではありがたく頂戴致します」

男性客「二人でジュースでも飲みなさい」

みかやん「はい。ありがとうございます。では失礼致します。どうぞごゆっくり」

部屋を出てドアを閉めたらドッと疲れが出た。

Oくん「俺、あーゆーおやぢ超苦手だよ。みかやんは凄いや。笑顔で受け答えして完璧だったよ」

みかやん「元デパガだからね。私だってあんなおやぢは苦手だよ」

Oくん「自慢げに”俺らはこの位のハイレベルな客だ”みたいな事言ってチップは千円じゃん」

みかやん「あの位の事でお金を貰ったんだよ。有り難く500円ずつ分けようよ」

Oくん「I氏とNさんには内緒にしよう。変にお堅いところがあるから」

控え室へ戻ってまったり休もうと思ったら、申し合わせたように3部屋同時に空いたので掃除へ向かう事になった。それからというもの掃除に追われ、午前1時半から5時半まで控え室には戻れなかった。

後かたづけをして朝の6時にようやく控え室の椅子に腰をおろした。さすがに月末の金曜日は忙しい。一休みしたのも束の間、6時半に1部屋空いたので掃除へ向かうとそこは222号室だった。

Oくん「ああっ。あのカラオケおやぢの部屋だよ。げ〜」

みかやん「年寄りは朝早いからねぇ」

Oくん「うわー!あのトシでスキン2個とも使ってるよ!」

みかやん「だってその為にココへ来たわけでしょ」

Oくん「あのおやぢがあの女の人と。。。想像すると倒れそうだよ」

みかやん「お客さんと会って話したりすると想像しちゃってダメだね」

Oくん「会わなきゃ良かったよ。あまりにもグロい」

その後、急に口数が少なくなるOくんだった。

帰り道でOくんに分け前の500円を渡すと「やった!今日の朝飯はコンビニ弁当を食える」「ハンバーグ弁当にしようかな?とんかつ弁当がいいかな?」「ああっ。それとも晩飯を買おうかな?」「いやいや。遅刻しそうな時のタクシー代にとっておこうかな?」「なんだかんだ言ったけど、いいおやぢだよね」と態度がコロッと変わった。現金な奴だ。やれやれ。

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