0:00-6:00 13室掃除

今日から新人Oくんが私達の仲間になった。函館出身の23才独身だ。

ベッカム風のソフトモヒカンのロン毛版と言うのか、ワールドカップ開催の時にベッカムヘアにしたのが9月になったらこんなに伸びました〜と言うような髪型で、モヒカンの部分は茶髪になっていて、左耳にはごっついピアス、右手の薬指にはごっついリングをしていた。坂口憲二や金城武とは違うタイプだが、見た目にうるさい私の基準点に達していたので合格だ。

今日は先輩Hさんと先輩Sさんと三人勤務の予定だったが、お陰で久々の4人勤務になった。

ウチの班に男性が入る事を危惧していた2人なのに、いざ若い男の子が来たら笑い方や話し方まで違う。2人でO君を奪い合うように手取り足取り仕事を教えていやがる。見ていてこっちが恥ずかしくなるくらいだった。1部屋の掃除に30分もかけて懇切丁寧に指導合戦をしていたので、私一人が待ちぼうけだった。「随分、私の時と待遇が違うじゃん」と、思わずみかやん。グレグレだ。

ローテーションで私と新人Oくんがベッドを組む事になった。

先輩Hさん「あっそうそう、今日はまだ無いけどベッドが生理の血で汚れてる事が多いの。怖かったらみかやんに言って代わって貰ってね♪」

先輩Sさん「なんも無理する事ないからなぁ〜♪なぁみかやん!」

みかやん。「は、はい」

(そんなの甘やかし過ぎじゃん・怒)と言って次の部屋の掃除へ向かった。

------食前・食中・食後の方はご遠慮下さい-------

部屋の入口のドアを開けたとたん、そこはかとなく漂う異臭を察知した。よろよろと階段を上る私を見て先輩Sさんは「どないしたん?」と涼しい顔だった。部屋のドアを開けると酸っぱいような生肉が腐ったような臭いがたちこめていて、たまらず窓を開けた。

それでも先輩達2人は新人Oくんに夢中で「なんかこの部屋、お酒臭いなぁ♪」等とのんきな事を言っていた。しかし私はこの異臭の元がベッドである事を確信していた。ベッドの上には”何か”を隠すようにバスローブやタオルや布団がかけられていた。

ベッドの横の絨毯に粘着ローラーをかけていた先輩Sさんが「なんかビーフジャーキーみたいな物が沢山落ちてるで」と言うと、洗面所から先輩Hさんが「こっちにもコーンみたいのが沢山落ちてる」と言う。私は臭いが目にしみてベッドへ近づけないでいた。

何も知らない新人Oくんがベッドの上のバスタオルやバスローブを剥がすと、悪臭とともに巨大なゲロのシミが姿を現した。「お、おぇ〜〜」となる私の横で新人Oくんは「なんですかコレ?」としげしげと見ている。「ゲロだから見るんじゃないっ」と叫ぶのが精一杯だった。

「ゲロ」と聞いて先輩達2人が走ってきた。

先輩Hさん「Oくん、そこはみかやんに任せてこっちへ来なさい」

先輩Sさん「こないだ教えた汚物処理や!Oくんに見せてやりや」

と言って三人で私を遠巻きに見ている。酷い。。。なんてこった。

汚物処理と言うのは、特に汚れの酷いシーツ等を小さくたたんで、透明なビニール袋に汚れた部分が見えるように入れて、マジックで”9/18 シーツ1枚 ゲロ”等と書いてリネン屋さんへ別便で出す処理だ。

いざやってみるとビニール袋の大きさよりゲロの面積の方が広かった。小さくたたもうとするとゲロの部分が手に付くし、ゲロの中の固形物がバラバラと床に落ちる。

先輩Sさん「何やっとんねん。ゲロ部分を上にすれば固形物は落ちんで」

先輩Hさん「先輩なんだからしっかりO君に、お手本を見せてあげて」

と、うるさい。仕方なく先輩達に背を向けて息を止めて目をつぶって、そそくさと処理をした。

控え室に帰ると。

先輩Hさん「初日でとんだ物を見ちゃったけど、まぁこの仕事をする上での洗礼と思っていて。これからは、もっととんでもない物を見るかも知れないからね」

先輩Sさん「いや〜でもO君は冷静やったわ〜。頼もしいなぁ」

先輩Hさん「それにしても、みかやんの鼻って犬並みだね」

一同「あっはっはっは」

等と言いやがる。笑い事ぢゃない!
洗礼を受けたのは私だし、O君は何もやってないじゃないの〜〜〜。

これで暫くは肉とコーンを食べられない身体になってしまった。(涙)

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